代表取締役 湯川 剛

91年発売3万台、92年5万台、93年5万5千台を4年目の今年は15万台をやるんだと、94年1月4日の初出式に全社員の前で「ミラクル計画新春決起大会」を行ないました。
更に3月26日に「ミラクル計画・ダイナマイト作戦」と勇ましい名前を命名しました。
3月26日はツイン誕生3周年目に当たります。すなわち1991年3月26日に、このツインが誕生しました。

話を3年前に戻します。
1991年3月26日に私達は、新大阪駅近くのメルパルク大阪で1日を過ごしました。
午前中に新卒社員の入社式を行いました。午後から「新型家庭用浄水器ツイン 新製品発表会&誕生パーティー」を開催しました。

製品の特徴を全社員さんと確認をしました。その後のパーティーで各チームのパフォーマンスなどを行ない、新製品誕生に相応しい盛り上がりがありました。パーティーも終わりに差し掛かった頃、最後に私の挨拶をする直前に、その部屋の担当マネージャーがそっと私の元にやって来ました。そして彼はこう言ったのです。
「あの、この新製品ツインの第一号のお客として、私がなってはダメでしょうか。」
私は思わず、「えっ?」とその人の顔を見ました。
彼はニコニコしながら「先程の商品説明や皆さん方がこの商品に惚れている姿を見て感動しました。是非とも買いたいと思いました。」

私は、最後の挨拶は二の次に、この事を全社員さんの前で披露しました。
披露したというより「オ〜ッ!!」と絶叫していたように思います。参加している全社員さんも私と同じように絶叫していました。同時にそのマネージャーのところに、全員が駆け寄って胴上げをしたのです。お客様を胴上げするようなこんな販売は初めてです。

1994年3月26日。私達は大阪と奈良の県境に位置する信貴山に集まっていました。
「OSGチャレンジスクール・ミラクル計画ダイナマイト作戦」と長ったらしい名前をつけて、3月26日から12月25日までで15万台やり切る事に向かって、1泊2日の合宿を開始しました。すなわち爆発的な推進力で神がかりな数字に挑むという事でした。

ダイナマイト作戦ダイナマイト作戦という限りは、それに相応しいツールを必要だと作成。そこで私のアイディアで「ダイナマイト」に見せる企画書を考えました。
トイレットペーパーの芯を2本縦に繋げてガムテープで固定し、そこに更に黒いテープを巻きつけて先にヒモをつければ見た目はちょっとした「ダイナマイトもどき」に見える
これはいい!我ながら上出来だ!これをお客様に見せよう。
「作戦指令 その@:爆発的な売上促進に寄与します(売上増進)」
「作戦指令 そのA:沈滞ムードを吹き飛ばせ(社内活性化)!」
しかしこの「ダイナマイト作戦」及びダイナマイトを模造した販促ツールは永遠に日の目を見ない事になりました。
原因は大きく2つあります。
正確に言えば、1つです。
1つは、駐車違反寸前のところでした。助手席にダンボールいっぱいに「ダイナマイト」を載せてあるのを警察官が見て、一瞬「これは何だ」という事でした。これには冷や汗をかきました。勿論、これは事なきを得て終わりました。

最大の原因は、ガスショップ様からの拒否でした。
「ガスショップで爆発とは何事だ!」
この一喝によって、見事に「ミラクル計画ダイナマイト作戦」は撃沈。
せめて社内だけでも残そうと、社内向けキャンペーンになりました。

 

追記
4月27日、株式上場後、今年で10回目の株主総会が行なわれました。
前期より配当が倍になった事も影響しているのでしょうか。今年の株主総会は例年になく、個人株主様に数多く参加頂きました。
株主総会でのご質問の中に「震災とOSGの業績」についてのものがありました。当然の事だと思います。震災がOSGの実績にどのように影響するかという事です。

ある株主様が「配当が昨年より2倍になったのは喜ばしい事です。しかし配当より震災支援に使っても良いのではないかという考えも他方で聞きます。OSGの考え方を聞かせて欲しい」との事でした。議長は社長でしたが、この件に関しては会長である私が答えることになりました。阪神大震災の時、私は40代後半でした。社長は20代後半です。20代後半の社長が阪神大震災の経験を今回に活かすという事は、それは無理な話です。そこで議長に代わり私が答えることになりました。
まとめると、以下のような内容を伝えました。
1)震災翌日の朝7時、溝端社長を災害対策委員長に任命。
私は後方から応援をする形を取りました。
2)「OSG安否確認5段階」を指示。(内容略)
3)「OSG被害状況5段階」の把握と対応の指示。(内容略)
4)「OSG支援:4つの行動」
@津波によって家屋を失なわれた沿岸部エリアのお客様:約3000名に対して、販売店様を通じて浄水器を無料で提供。
Aミネラルウォーター:3t分を福島(いわき市)・宮城(東松島市)の避難所に物資として持参しました。
B被災地に約3万人の中国の方々がいる。中には十二分な日本語も出来ず、不安に思っておられる方々に対して「中国語・医療相談ホットライン」の支援活動をしました。
COSGグループ全社員さんによる義援金:500万円を、日本赤十字社を通じて寄付。

以上の事を被災地訪問で体験した事も含めてお話をしたところ、予期せぬ事に株主様から拍手が起こりました。私は株主総会においてこんなに感動した事はありません。むしろ株主総会は1年間の実績を株主様に発表する場であり、最初から最後まで緊張の連続です。しかし今年の株主総会ほど温かく、そして胸を熱くさせてもらった株主総会はありません。
総会後、弊社2Fで簡単な株主様との懇親会がありました。
ある株主様から「会長さんの話に感動した。」と言って頂きましたが、むしろ私の方こそ株主様に感動しました。
一人ひとりの株主様に対して、心からお礼を申し上げたい気持ちです。ありがとうございます。

同時に被災地で頑張っておられる多くの方々の「私は今後何を為すべきか」を更に強く思いました。

(次回に続く)

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