代表取締役 湯川 剛

合宿2日目の朝。朝礼で私は合宿参加者に向けて、こう言いました。
「創業以来のチャレンジ精神で今期は楽しんでやろう。もしこのチャレンジ精神を放棄する者はこの朝礼の場から去ってもいい。」

もちろん私は誰一人、この朝礼の場から立ち去る者はいないと思っていましたが、「何もわざわざみんなの努力を逆撫でするような発言はしなくてもいいのに」と思いつつも言ってしまいました。
社員さんの立場で聞けば、「チャレンジ精神で楽しくやろう」という事に重点を置いている話なのか、それとも「チャレンジ精神がないなら、辞めろ」という主旨の話なのか、いずれにしても朝の大事な朝礼で話すような内容ではなく、ましてや反発があっても不思議ではありません。

私は朝礼に限らず、何か人前で話をしなければならない時は必ず前もってある程度、話す内容を準備します。しかし「創立以来のチャレンジ精神を今こそ倍増にしてやろう。楽しんでやろう」という狙いで話をしようとした筈なのに、何故、後半部分に「チャレンジ精神を放棄する者はこの朝礼の場から去ってもいい」と余計な部分を付け加えてしまったのか。
それは多分、強気な私と僅かな弱気な私が交差した合宿初日の真夜中の出来事(第199回)がそのようにさせた原因だったのではないかと思います。

幸い社員さん達は「創立以来のチャレンジ精神を今こそ発揮しよう」という内容を重視してくれ、「チャレンジ精神を放棄する者はこの朝礼の場から去ってもいい」は戒めの言葉として聞いてくれたと後になって知りました。この時は私が社員さんに助けてもらった気がしました。

尚、翌週の10日(土)・11日(日)はキャスト業務・メンテナンス業務の社員さん達が休日返上でやってくれていました。

この週末合宿を行なっている中、私は主幹証券会社から株式上場における事前審査として100の質問に回答しなければならないという大きな課題も背負っていました。
加えて上場申請のための資料(登録申請の為の有価証券報告書・登録申請の為の報告書)やIR資料作成もしなければならず、1日40時間でも足らない程の状況だったのです。
「最近ではパソコン等OA機器が発達し、資料の書き換えも昔と比較すると格段にやりやすくなっている。パソコン等がない時代は書き直しに大変な労力がかかる上、決められた日程内に作成しなければならない為に、連日徹夜は当たり前。株式公開準備チームから過労死者が出ても不思議ではない」と証券会社の人から教えられました。
当時から私は不眠不休という言葉を使ってもいいくらいに動いていました。創立以来そのような生活行動をして慣れていたつもりでしたが、特にこの2001年の1月から8月までは中身の濃い超激務な8ヶ月間でした。

株式公開が実現できるのか、否か。

第32期スタートはそんなハードな合宿からスタートしたのです。

(次回に続く)

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