代表取締役 湯川 剛

以前にも掲載した通り、第5次4カ年計画(2002年2月〜2006年1月)は
●国境を越えない企業は生き残れない。
●加えて、既存の事業だけでは売上拡大を望む事は難しい。
●この4カ年計画で海外進出を図り、同時に事業領域を広げる
そういった内容を中長期計画として盛り込みました。(第226回掲載)
2003年はその2年目です。
韓国上場会社のN製薬との出会いの経緯については、先の第236回で述べた通りです。
2月25日、そのN製薬よりB常務が来日。「OSGと提携を実現する為に、積極的な交流を図るように」とのR会長の命を帯びての来日でした。

B常務との会話で、「N製薬は毎週水曜日、朝7時30分から9時までの90分、全社員を集めて勉強会を開催し、月間4回行なう」という内容の話がありました。
勉強会内容は製品に関する事やセールストーク等で、時には勉強会の内容を理解しているかの確認の為にテストも実施していたそうです。
N製薬は韓国の成人なら誰もが知っている有名な企業です。そんな企業でも「N製薬は上場会社だが、超一流企業ではない。サムソンや現代のような会社を相手にするには教育以外に手法はないし、教育に終わりはない。」というので大変感動しました。
国が違えども取り組もうとしている姿勢は、どの企業も同じだなと強く感じました。

話は支店経営にまでおよびました。
「支店長は地域の社長という認識を強く持たせる事が大事である」
「上司は部下に命令や指示ばかりではダメ。部下の意見を取り入れる事も必要」
「入社1年目社員の上司は社長や部長ではなく、1年上の先輩がその役割を担わなければならない。上司役を担う先輩として、歳が近くても尊敬される存在でなくてはならない」
そんな話を熱っぽく語られました。
その後、OSGの教育方針等に興味を示され、企業理念や社内制度等に対し意見を交わし、互いにメモを取り合いました。

N製薬は1940年代初めに設立され、韓国株式市場に上場した詳細な時期までは分かりませんがOSGとは社歴の上においても長く、それでもこうして「社員教育に終わりなし」の企業文化が今日のN製薬を支えているのだと改めて大きな刺激を受けました。
帰国際に「R会長から早く業務提携を実現するようにと言われている」との事でした。
小さな一歩かもしれませんが、第5次4ヵ年計画の目的である海外進出への足がかりになるような気がしました。

3月には決算発表があり、厳しい実績で挑みましたが、心配していた程の厳しい質問はありませんでした。関係者にその理由を聞くと「商品不具合や市場の熟成化による売上低下ではないからでしょう」との事でした。

その他の3月の出来事としてOSGが上場した事で管理分野を強化しなければならないと、主力銀行のOB会におられたY氏を管理本部長に就任して貰いました。
更にいつまでも私が営業本部長を兼任していると、本来の社長業が疎かになるといけないという事で、外部から営業本部長の人材も採用すると役員会で決めました。

中国で新型肺炎SARS(サーズ)が大流行し、死者700人を超すというニュースが流れましたのも、2003年3月頃の出来事です。

(次回に続く)

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