代表取締役 湯川 剛

第5次4カ年計画の目標の1つであるグローバル化の具体的行動として、韓国市場でいよいよ5月からN製薬が始動。特にN製薬は弊社のブランド名「Human Water」の名前が気に入り、この名前を韓国に広めていこうという気持ちがありました。私達もそれに応えて日本製品として恥ずかしくない製品を提供しようと更に思いました。

さて私ほど「ゴールデンウィーク」や「長期休暇」という言葉に、縁遠い男はいないでしょう。
家族旅行も数える程で、そういう意味では父親失格です。そんな私がこの年のゴールデンウィークに、何を思ったのか、富士山を目指して車を飛ばしました。休日が完全オフなら常々行きたいと思っていたのが富士山でした。運よく3日の夕方から4日の午前中まで時間が取れた事と河口湖オートキャンプ場が空いていた事で実現しました。管理事務所の話ではドタキャン発生とキャンセル待ちの連絡とれずで、運よく当日予約でOK。

何故、富士山に行きたかったのかといえば、以前に新日本プロレスで前田日明選手ら人気レスラーが大量に離脱する問題がありました。新日本プロレスは復帰に向けて多くの人々に仲介を依頼したが次々と失敗。そのニュースは当時のスポーツ紙にも大きく取上げられていました。
廻りまわって最後に私が仲介役となりました。彼等と接触する詳しい経過はここでは割愛しますが、まず初めに今やタレント活動もしているプロレスラーの藤原組長さんと接触し、結果的には前田日明選手や高田延彦選手ら全員が新日本プロに戻った経過があります。
彼らの離脱原因にアントニオ猪木さんに対する批判がありました。私から見れば些細な話です。

彼らを自宅に招いた時に言った話があります。何故、離脱したかの原因を聞いた時、
「要するに猪木さんの対応が気に食わないのだろう。猪木さんは富士山のようなものだ。遠くから見れば美しく壮大なものだが、近くにいればイヤなものもみるだろう。たぶんス−パースターと呼ばれる人達も身近な人から見れば君らと同じ考えだろう。富士山も人の話によると近くに行けばゴミが散乱している。だから世界遺産にもならないらしい(当時の話)。この私だって社会に出ればいい顔をしているが、身近にいる者から見れば、私のイヤな部分も目につくだろう。猪木さんだけの問題ではない。特に人気絶大な猪木さんは外観から見れば壮大すぎるから実態との落差に身近にいる君らは気に食わないのだろう。
君らもいずれ猪木さんのようなスーパースターになった時は今日のような批判を言われないようなスター選手になってほしい。」
この話しが効いたのかどうかは分かりませんが、彼らはその場で戻ることを承諾しました。

その時以来「時間があれば一度は富士山に行ってみたいものだ」と思っていた事が念願となって、この年の5月3日・4日に実現しました。夜にキャンプ場に到着。車中で一泊した私は、キャンプ場に来ていた子供達のはしゃぐ声で目が覚め、車外に出ました。何気なく後ろを振り返るとそこに富士山がありました。新幹線の車窓から見る富士山もきれいですが、身近に見る富士山は特別です。昨日は夜遅くに到着したので富士山の全景が見えないままで泊まりました。河口湖オートミャンプ場に泊まられた方は勿論の事、富士山を近く見られた方はその大きさに驚かれたと思います。私はその壮大さに感動しました。なんとこれが富士山か。

富士山にゴミが散乱という話でしたが、その時点では大きさだけに目が行きました。
私は5合目まで行き、少し歩いてみました。噂通りのペットボトルや空き缶などが散乱。

5月13日に、R社を設立したF氏がOSGに来社しました。彼に富士山の話をしました。
その時、F氏は「私は時間があれば極力企業訪問します。すなわち数字だけで会社を評価しません。極端な事を言えば、数字すら見ない場合があります。そこで働く人を見れば会社の実態が分かります。経営者も分かります。勿論、外観だけでは判断しません。そういう意味では富士山の話に似ているかもしれません。」
私は「ゴミが散乱している富士山であっても世界から美しがられる富士山は魅力的です。早く日本を代表する富士山のように世界から認められるグローバルな会社になりたいと思います。」と当日の日記に書いてありました。

(次回に続く)

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