代表取締役 湯川 剛

2003年11月22日(土)、第4回ウォーターサミット台北大会参加の為に、私は台北に向かっていました。翌日の日曜日、そして秋分の日の振替休日等を利用しての海外出張です。

ラスベガスから始まったウォーターサミットも東京・ソウル・台北と開催国の首都で開催実績を重ね、ウォーターサミットが形になっていく様はまさにグローバル化を目指しているOSGにとって少しずつではありますが一歩一歩前進している事を実感させてくれました。

また「機能水」という分野にそれぞれの国が興味を示しているという事も回を重ねる度に感じました。

さて今回の台北でのウォーターサミットに、香港T社は参加する事を見送りました。
香港の上場会社でありますが、T社は実質的には中国企業です。当時は今のように中国と台湾が盛んに交流する状況ではありませんでした。
金菫事長は進歩的な考え方の経営者ですが、この件に関しては保守的でした。
中国の台湾アレルギーは、後々のOSGの国際会議でも問題が発生しました。

そんなエピソードの1つに翌年に上海で開催されたウォーターサミットでの事があります。
この時、台湾の国旗が掲揚されているとの理由で、地元の中国代理店の社長達は会場に入場しませんでした。慌てる私達に対し、中国代理店の社長達は「私達経営者は構わない。しかし中国行政の人達は恐らく、台湾国旗を降ろさない限り部屋には入らないだろう。勿論、私達もそれに従わなければならない」との理由でした。

ウォーターサミット開催に対しては、台湾の方々は第1回のラスベガス大会から参加され、台湾の大学関係者の方々も大変協力的でした。それだけに台湾国旗を降ろす事に、私達は強く拒否しました。私達のそんな態度に台湾側の大学教授・経営者の方々が感動され、「ここは上海です。よって中国の立場もよく分かります。郷に入れば郷に従う形をとりましょう。国の立場でなく地域代表という形で参加します」との申し出がありました。
この時は心の底から台湾の方々の協力に感謝しました。
グローバル化と一言で言っても、当時はいろいろな摩擦がありました。

さてグローバル化としてもう1つ、エピソードがあります。
時差はあっても、日曜日は世界共通。しかし祝日となると大きく異なってきます。
私は当時から日本の休日を利用して海外出張をしますので、365日殆ど休みはありません。
休日・平日の区別なく仕事に没頭している私は、曜日の感覚を失っている事があります。
「今日は何曜日」という感覚を殆ど持たず、自分のスケジュール表で行動している為です。
その為時々、とんちんかんな対応をする場合があります。
このウォーターサミット台北大会の出張期間中に私は、ある管理職に電話をしました。
電話の向こうの管理職の声を聞いて、いつもと少し声の様子が変だと感じました。
私は心配になり「病気なのか」と尋ねるとそうではないとの事。
「声にいつもの元気はなさそうだ」というと彼は「寝ていました」というので「それではやはり病気じゃないか」と返すと彼からの一言。「社長、今日は日曜日です」

その管理職者も現在は水宅配事業の幹部ですが、もしかすればOSGの幹部社員はいつ社長から電話がかかってくるのかと、当時から休日でも気を休める事が出来なかったかもしれません。しかし幹部社員にはそれが「幹部なんだ」という意識教育になっていたかもしれません。

中国も元日は祝日ですが、2日には一般業務が開始しています。よって私は1月2日から中国に出張する事もあります。勿論、お正月の三が日はさすがに幹部の人にも電話はしません。

(次回に続く)

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