代表取締役 湯川 剛

私の誕生日は1月15日ですが、この日は以前、成人の日で祝日でした。25回目の誕生日ももちろん休日でしたが、休んでいられる程、悠長な気持ちにはなれませんでした。なにせ昨年末に突然言われた取引中止の通告は、私にしてみれば「死の宣告」に匹敵する厳しいものでした。拡大を図る為に採用した仲間もいるし、いったいどうすればいいのか。25歳の経営者としては大変重い課題を突きつけられた訳です。年末に最後の納品としてある程度の在庫品は持ちましたが、それとて1ヶ月も過ぎれば底を突く程のものです。困ったな、という気持ちはありましたが、その反面で起こってしまった事は仕方がないと、「次の展開」に神経を向けようとしている自分がいました。私自身の性格として「起こってしまった事にくよくよするエネルギーがあるなら、そのエネルギーを次の展開に費やす」という部分がありますが、それは私の信条に影響しているように思います。

時折「座右の銘は?」と聞かれる事がありますが、そんな時、私はすかさず「求めて難にあたり、自らの能力に挑戦する」という言葉を挙げます。しかし正直言って、この言葉をそのまま実践しようと思った事はありません。「求めて難にあたり」だなんて、自ら大変な事を求めてやろうなどと思う人は、実際には殆どいないと思います。では何故、これを座右の銘にしているのか。それは大変な事が起こったならば、逃げずにやる事によって自らの能力アップにつなげるぞ!と一生懸命、自身に言い聞かせているのです。

今回のこの問題も「仕方ない、与えられた状況の中で如何にこれをプラスにもっていくか」という風にしか考えていませんでした。この25回目の誕生日の日記には、「求めて難にあたり、自らの能力に挑戦する」とだけを書いてあります。25歳を迎えた感想など1行も見当たりません。

でも現実は目の前に迫っている訳です。品物が入ってこない、在庫は底を突く、最悪の状況が続くのですが、しかし人生は永遠に悪い状況は続かないもので、商品の供給を止められた事によって、この後とんでもない事態に展開していくのです。

(次回に続く)

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