代表取締役 湯川 剛

H社の話は、ひとまずここで置いておきます。

第2次衛生部ショックからさまざまな企業が影響を受けた話をします。

衛生部ショックで影響を受けたのは、OSGだけではありません。それよりももっと大きな打撃を受けたのが中国事業のパートナーである天然社です。
天然社は衛生部ショック以降、私達の働きかけに来日し、厚生労働省の職員や日本機能水学会の幹部の方々と積極的に会い、中国で基準設定の為に動きました。
中国政府衛生部や中国保健協会等と連絡を取り合いなど、中国側は天然社が中心に動いていました。でも残念ながらこの活動と売上向上とは直接結びつけるものではありませんでした。

再度説明しますが06年7月、北京にて「日中水関係品の法律と学術シンポジウム」開催。
07年3月、中国保健協会「功能水製品規格基準」を策定。同年11月、北京にて「日中功能水機革新技術シンポジウム」を開催。08年2月、西安にて「日中電解槽標準技術シンポジウム」開催。09年9月、北京にて「日中飲用水分化交流セミナー」開催。10年5月、北京にて「中国功能水効果功能及び推進モデル研究兼日中功能水技術交流フォーラム」開催。
と、中国側は天然社が中心となって中国におけるアルカリイオン整水器の基準設定に動いていましたが、この動きは将来に必ず生きるものとして短期的な効果はありませんでした。

天然社の売上低下は翌年までも影響を与え、その結果、天然本社の人事まで影響を与えました。中国本土に約300社の代理店も売上の半分を占めていたアルカリイオン整水器の売上は、大幅に低下しました。いずれ中国にアルカリイオン整水器の基準設定が設けられ、安心して売れる商品になるとしても、それ以上に「衛生部ショック」は業界に大きな打撃を与えたのです。過ぎた事とはいえ、2000年に起こった第1次衛生部ショックの時に行動しておれば、こんな状況にならなかったのですが、当時は我々も中国に進出しておらず、もし今回の第2次衛生部ショックが起こって、我々が中国に進出していなければ、永遠に中国市場にアルカリイオン整水器の市場は消えたという事です。そのような意味では多少の犠牲を払ってでも天然社を中心に中国の大手販売会社がこの現状を乗り切らなければならないということです。

天然社は香港の上場会社の為、売上低下は株主に大きな損害を与える訳です。そのような意味ではOSGも日本で市場に与えた影響は決して小さなものではありませんでした。

さて天然本社ではトップの辞任劇が密かに動き始めていました。
今まで私と「兄弟」と呼びあい二人三脚でアルカリイオン整水器を中国に広め、中国の基準設定の為に東奔西走した金鋭菫事長が菫事長を辞任しました。彼に与えられた地位は名誉職的な立場である「総裁」という事です。新しい菫事長は機関投資家から登用されたと聞きました。40代の香港人で林菫事長です。このビジネスにおいては全くの素人でしたが、さわやかなイメージで金鋭前菫事長とは対照的です。

現実的にはこの会社を動かしていたのは、金鋭前菫事長です。表向きは林菫事長で、裏では従来と変わらず金鋭前菫事長が動いていましたので全国300の代理店も我々も違和感無く進めていました。そんな折、新しく就任した林菫事長から私達に「天然三愛の株式を買い取ってくれないか」との打診がありました。資金的にも影響が出始めたのです。

(次回に続く)

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