代表取締役 湯川 剛

第2次衛生部ショックは、いろいろなところに影響を与えました。勿論、日本のOSGも無関係ではなく「欧愛水基」の売上低下という影響を受けました。販売現場の代理店において積極的にアルカリイオン整水器を販売しようという意欲の低下が、販売実績に大きな影響を与え、親会社の天然社は当然の事、それは注文減少として「欧愛水基」にも影響しました。

勿論、全ての代理店が売れていないのではありません。市場の問題ではなく、顕著に売る側の問題として代理店経営者の気持ちが売上に反映していました。その証拠に売る代理店は、衛生部ショック前よりも実績を上げていたのです。代表的な代理店としてシンセン代理店や済南代理店がそうです。売上増の代理店の共通点は、積極的に人員を増員していた事。何より衛生部ショックの事など知らない新入りの社員さん達の販売力が、全てを物語っていました。
その一方で約300社の天然社代理店の多くは、衛生部ショックの後遺症を経営者自らが作り上げていて、天然本社が代理店に「もっと注文を出して欲しい」と要求すると「いや、衛生部ショックがかなり影響しているから」といい訳を繰り返し、「シンセンや済南は衛生部ショック前よりも実績を上げている」と言えば「いや、シンセンや済南辺りは影響が少なかっただけ」「シンセンや済南のような大都市では日々いろんなニュースが溢れ、消費者の記憶から衛生部ショックの事も薄れがち」とシンセンや済南以上に人口を抱えている代理店であっても売れない口実を並べる始末。売上低迷の要因は、市場の問題より経営者の資質にありました。

この05年7月に発生した衛生部ショックから06年までの約17ヶ月のそれぞれの代理店の対応がその10年後、大きな差となって現れました。積極的に取り組んだ代理店は2017年には社員数1000人以上の規模に成長。逆にその当時、製品が売れない事を衛生部ショックの原因だけに終始し、言い訳や何の対策も打たなかった代理店社長は当時のままで10年を経ても変化出来ず、中には消滅した代理店もあります。300社もあれば当然の事でしょう。ただ05年から10数年経った現在、過去のような高度経済成長はしていない中国市場であっても間違いなく、経済は拡大している訳です。極論を言えば300社のエリアは拡大していても停滞はしていない訳です。にも関わらず変化出来ない代理店は、いずれ消滅する運命にあるのです。

さて天然本社の話をしましょう。
大きな打撃を被った天然本社は、代理店の実績の低下が大きく影響しました。特に香港上場会社である天然本社はこの実績低下に対して市場対策をする訳でもなく、ただただ責任を押しつけてお家騒動へと突き進む訳です。

私と「兄弟」と呼びあい、中国全土に300社の代理店を構築した金鋭が菫事長から名誉職の総裁という地位となったのも、市場原理が動いたのではなく社内原理、すなわち経営の主導権争いに翻弄された結果でした。

その結果、私には想定外の出来事が起こりました。

(次回に続く)

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