代表取締役 湯川 剛

前回にも書きました通り、お客様を招待しての記念式典を行なったのは、創立10周年・15周年・20周年の3回で、招待客の殆どは取引先様でした。

40周年の時、初めて弊社の製品をご愛顧頂いているユーザー様をご招待致しました。
浄水器をはじめとするOSG製品を30年以上ご愛用頂いているお客様の多くは、大阪周辺にお住いで、100名限定でのご招待でした。本来であればもっと多くのお客様をご招待したかったのですが、会場の規模の関係でどうしても制約があり100名となりました。
OSGの創業間もない頃のお客様もおられ、当然、私自身20代の時にカートリッジ交換等でお世話になったお客様もいらっしゃいます。

実はこの式典の5年前の創立35周年の年に、創業時からのお客様を中心に本社近くの大阪帝国ホテルにご招待したことがあります。この時も100名程のお客様でした。
当時は朝日放送を退社して間もなくの頃で、今や全国区の知名度を誇るフリーアナウンサーの宮根誠司さんが司会をしてくれました。
10卓程の円卓でお客様は私の年齢より5~10歳上のお客様ばかりでした。
最初に私の挨拶で始まりました。懐かしいお客様もおられ、声を詰まらせて、感謝の言葉を述べたことは今も忘れません。特別な催し等もなく、私がテーブルを回っての挨拶です。
「大きくなったね」「あの時はお互い、まだ若かったねぇ~」との声ばかりです。30年以上使って頂いているという事は家庭用浄水器も3台以上は買い替えして頂いているお客様ばかりです。「あの時の小さな娘がこんなに大きくなって花嫁道具にも湯川君とこの浄水器をもって行かせたよ」と親子3代で参加して頂いたお客様もいらっしゃいました。

しかし40周年の時は気さくに声を掛けて頂く余裕もなく、式典は進みました。
第一部の式典で、長年ご愛用頂いているお客様の代表として、100名のお客様に感謝の品をお渡ししました。

40周年式典を終え、この大きな節目に私は「お客様訪問」を行ないたいと思いました。
中国では既にお客様訪問を行なっているのに、日本のお客様に対しては「お客様訪問」を行なっていないのです。私は「お客様訪問」を通じて「原点に立ち戻りたい」という気持ちにかられました。
ところが「お客様訪問」は、なかなかスムーズに受け入れて貰えませんでした。
お客様の立場になれば、よく分かります。それでも浄水器のカートリッジ交換を担当している社員さんにお願いして「10人でも20人でもいいので行きたい」と無理を伝えました。ただただお客様に会いたい。その一心でした。
この話は後日、改めてお話ししたいと思います。

さて40周年の話に戻します。
第一部式典は、来賓のご挨拶や最優秀取引先様やお客様への感謝のセレモニー等を1000人のお客様がご列席頂いて行ないました。
その1000人の最前列席の中央にある2人の招待者の席を準備しました。
本来は3席準備したのですが、1人はどうしても来場できず欠席となりました。
1人は20歳すぎの営業のいろはも知らない私に「営業とは何か」を教えて下さった吉留達也氏(第5回登場)です。そしてご列席は叶いませんでしたが小早川啓次郎さん(第5回登場)をご招待しました。

『小早川啓次郎さん。私が入社した時は、入社が1年早い小早川先輩の下で働きました。小早川先輩は幼い時に事故に遭われ、足が不自由でした。私が今日、私の中に「根性」というものがあるならば、この小早川先輩の影響なくして語ることは出来ないと思います。当時、子供向けの英会話教材もありましたので、個人宅訪問をする訳です。不自由な足を引きずって小早川先輩が歩く姿に「先輩が10軒訪問するなら、自分は100軒回らなきゃいけない」と心に誓ったものです』(第5回より一部抜粋)

もう1人は私に「浄水器」を教えて下さったウォーターライフ社の川上康一社長です。この「人プラ」の第28回ではW社のK社長として登場しています。
この3人は私にとって恩人です。私は営業について全く興味もなく、むしろ嫌いな職業でした。しかし父親の借金を返済する為に嫌々飛び込んだ世界です。この私に「セールスとは何か」「マネジメントとは何か」を教えてくれたのが吉留達也氏であり、小早川啓次郎氏です。
また「ウォータービジネスの世界」に参入するきっかけを作ってくれたのが川上社長でした。残念ながら吉留氏も川上氏もこの40年間、時には私を窮地に陥れ、ここでは書く事を控えますが非常につらい目に合わされた事も正直ありました。しかしどのような事であれ、この両氏と小早川啓次郎氏は私にとって掛け替えのない恩人なのです。

創立40周年式典の後、我が事のように喜んで頂きました。

次回は2002年2月1日に宣言したもう1つの課題である事業領域の拡大についてお話したいと思います。

追記
吉留達也氏は今年春に85歳で永眠しました。奥様の話によると、「いつも湯川さんの成長を自分の事のように喜んでいた。40周年に参加した事が嬉しい」と聞き、涙しました。
小早川啓次郎さんとは初夏に、千葉の自宅を訪問し久しぶりに会いました。自宅でカラオケ教室を開き、奥様とCDデビューしていると聞き、驚きました。70歳のデビューです。
私の前向きでプラス思考の源流は、小早川啓次郎さんにあるかもしれません
川上康一氏は現在82歳で元気です。最近、電話で「まだ浄水器を研究している」との事です。川上氏は日本で最初に家庭用浄水器を広めた名実共に浄水器王です。

(次回に続く)

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