代表取締役 湯川 剛

お客様訪問3日目。
その日、訪問4軒目の大阪府八尾市のお客様宅をちょうど退出した時、私の体が揺れました。「会長さん、地震ですよ」と窓からお客様が声を掛けて下さいました。そして5軒目のお客様宅で目にしたテレビ画面の映像に驚くあまり声が出ませんでした。
2011年3月11日、東日本大震災です。
この時のお客様訪問だけが、ひと声の笑いもなく、お客様とテレビの映像を呆然と見つめていた事を覚えています。
5日間20軒のお客様訪問を予定していましたが、この3日目の訪問をもって中止しました。

私の日記には、翌日以降のOSGの対応に関し、下記のように記録されています。

3月11日(金)14時46分発生の「東北地方太平洋沖地震」に対し、下記の通り決定。
OSGグループ全社員 これに従って行動の事。

1.3月12日 7時。私と溝端社長、OSGグループ 社内災害対策委員長に就任。

2.下記の手順で対応する事を決定。
  ①OSG全グループ全社員の安否確認(被災地勤務社員、並びに被災地出張社員)
  ②全社員の家族の安否確認 被災地勤務社員の家族
  ③被災地エリア社員・家族の生活崩壊状況の確認
  ④被災地エリアのOSG営業拠点の崩壊状況の確認
  ⑤お客様及びお取引様の被災状況の確認
  ※お客様・お取引先様への対応をする為にも、まず我々の状況を把握しなければ、かえって混乱し動きも取れなくなる

3.3月12日 18時現在。上記①・②の状況を溝端社長より発表
  ①対象者は18名(被災地社員10名・出張社員3名)安否確認取れる
  ②居住状況(5名確認済み、8名住居不明)
  車中5人・ホテル4名・自宅1名・販売店社員宅4名・避難所2名
  ③食糧状況:16名確保 2名未確認
  ④家族状況:被災地社員6名の安否確認取れる 残り4名 家族の安否は不明
  (※数字が合わないのは、当時、如何に慌てていたかの表れです)

3月14日(月)7時30分
私より全国拠点長・責任者朝会にて指示発令
(溝端社長が計画停電に伴い、通勤電車の遅れにて私が代わりに指示)
1.黙祷(被災地で亡くなられた多くの方に対し、また阪神大震災の経験から今回の地震でOSG関係者の方で亡くなられた方がいる)

2.基本的考え方
  ①今も避難所で生活している社員・家族の安否が分からない人々や仲間がいる事を考慮して私達は日々行動する。
  ②この3日間は混乱し、被災地に行く事も出来ないが今後の復旧に対して行動の準備をする。特に現地で調達出来ない品物は本社での調達を視野に入れて調達する。
   懐中電灯・電池。
  ③「計画停電」に対し本社も節約宣言を行ない、屋上サインやまた社内においてもより一層の節電活動を実施する。
  ④被災地の事を考えて、少なくとも今月末までは騒ぐようなお酒を飲むような事はしない。

3.我々の仕事について
我々が頑張る事が支援の第1歩。

今回の地震で、我々の仕事の意味や使命感を確認する。例えば、水不足に対しての行動。

以上の事が記録されています。

東日本大震災については各社もそれぞれの行動を行なったように、OSGもこの紙面では表せない行動を行ないましたが、次回は水不足に苦しむ被災地への対応についてお話しします。

(次回に続く)

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp