代表取締役 湯川 剛

2013年3月1日(金) OSG役員会が開催されました。
何度かお伝えしていますように、OSGの役員会は原則的には毎月第1金曜日の8時30分からの開催です。この日の役員会で子会社の水宅配事業ウォーターネット(略、WN社)の代表取締役社長を私から平成6年(1994年)入社の山田営業本部長にバトンタッチする議案が可決されました。彼の肩書は、OSG本体の西日本営業本部・営業本部長です。

よく世間でいう就職氷河時代とは、平成4年から平成8年までの入社組です。OSG社内だけでなく他社もこの時代の入社組は、忍耐力もあり有能な人材が多いとの事です。
OSG社内もこの年代の入社組は非常に頑張っています。WN社の社長候補は山田営業本部長以外に数名いましたが、就職氷河時代の代表として社長就任と言ったところでしょうか。
この時代の人材は私から見て第3世代です。現在のOSGでは第5世代と呼ばれる社員さん達が間違いなく将来のOSGの屋台骨を背負っていく事でしょう。

私の人材育成方法の一つに思い切ってポストを与え重責を任す事です。「黒帯付けると強くなる」という言葉を聞いたことがありますが、OSGグループの子会社や関連会社に責任を持たせるポストに就かせます。多少、力不足であってもそこは思いきって決断します。
このようにOSGグループでは将来の幹部候補生がいる事に私としては非常に頼もしいと思います。人材こそがOSGの財産です。

話はWN社に戻します。WN社はOSGグループの中核的な子会社です。パートナー企業は何度もこの「人プラ」でお話をしていますが、東証一部のジャパンフーズ(証券番号2599)です。ジャパンフーズ社は、大手商社系の受託飲料充填事業(コアビジネス事業)です。私達がよく知っている有名ブランドの清涼飲料水等を生産している企業です。
東証一部企業ですので非常に厳しい対応を求められます。そのような意味においてもOSGの幹部育成には最適な組織です。中小企業から這い上がってきたOSGは時には大企業の厳しさから学ぶ事があります。そういう意味で将来のOSGを背負う就職氷河時代の代表である山田社長が「経営」を経験するのにはとてもいい環境です。

この社長交代の決断に至っては4か月前にさかのぼる事、2012年11月5日の役員会での出来事です。この時の内容は既に4月10日付(第429回)で説明していますが改めて再記載します。
『~略~WN役員会開催から10日後の現地時間11月15日に優秀加盟店様が集まり、第1回目の「W-1」ハワイ優秀加盟店懇親会がホノルル・シェラトンワイキキホテルで開催されました。この時のパーティーを見ながら私は心の中で決めました。
私のWN立ち上げの役割は終わったと思いました。これからのWNのリーダーは、私以外の若いリーダーに任せる事だと思いました。心の中で一旦そのような思いが芽生えると、一気にその方向に進むのは私の性格です。一切の躊躇はありません。
「W-1」ハワイ優秀加盟店懇親会の様子を見ながら、私は社長辞任を決意しました』

そういえば「OSG社長を60歳で辞任する」も創立25周年をハワイで行なった49歳の時でした。(第162回)

 

【新型コロナ反転/「日本、元気に」】
創立50周年をコロナショックで手荒な歓迎を受けた。それならそれで「やってやろうじゃないか」について前回説明しました。「やってやろうじゃないか!3番勝負」の「貢献する」「告知する」は前回の第432回の【新型コロナ反転】で説明しました。
本日は3番目の「元気を与える」についてお話しします。

2月28日16時。OSGは臨時役員会を開催しました。
前日に政府から「新型コロナ感染防止のため全国小中高学校一斉休校」に対し、OSGは「社員及びパートの皆さんが安心して自宅に居るように対応します」と一早く社長メッセージを打ち出しました。この日の日経平均は1000円ダウン。いよいよ新型コロナウィルスが中国武漢や豪華客船ダイヤモンドプリンセス号だけの問題でなくなってきた不透明感が株式市場にも大きな影を落とした訳です。私自身多くの人達から不安な声も届きました。それは経営者達からもです。

2月28日の夜から「コロナ危機」に対する私自身の闘いが更に深まりました。

「コロナ危機」の対策を考える時、いつも自分自身に言い聞かせました。
それは「これこそOSGに相応しい創立50周年記念事業だ」と、何度も繰り返し言い聞かせてから考える事にしました。
こんな時だからこそ、OSGの持てる経営資源を活用すると結論づけました。
「ではOSGの経営資源とは何か」この問いに徹底的に考えました。久しぶりに夜が明けるまで考えました。この日はたぶん殆ど寝ていないと思います。
夜明け前に出た結論は「OSGの経営資源」は「プラス思考である」と行きつきました。
そして周りから「会長は倒れるのではないか」と思える位に働こうと思いました。
「有事」「国難」と次々マスコミでは厳しい言葉が発しますが、聞けば聞くほど私は不思議な程心の奥底から沸々と湧き上がる熱いものが出てきました。この感情は止める事は出来ません。久しぶりに何とも言えないマグマのようなものを全身に感じました。

「よし!やってやろうじゃないか、3番勝負」が「貢献する」「告知する」そして何よりも周囲に「元気を与える」事でした。
その具体的な行動がテレビCMでそのまま「元気を与える」という事です。
しかし、事はそう簡単ではありません。テレビCMをするには多額なCM制作費用や放映する料金もかかります。でもそれを考えると前に進みません。OSGの損益に大きく影響を与えるなら、私財を出してでもやろうと思いました。

こうなると翌日の夜も目がらんらんとなり眠くありません。
制作費用を安くするために徹底的に考えた末に、ある事が頭を過ぎりました。
「そうだ!昨年映画製作をした『セカイイチオイシイ水』(第366回~第368回)のフィルムの一部を使おう。それだけコストが安くなるのではないか」
もうそうなると、早く朝が来ないのかとやきもきしました。早朝に制作関係者に電話をしました。「映画を使いたい」「赤井英和さんに出演して貰いたい」但し、条件がある。制作費用がない。よって出演料も十二分に出せない。でも元気を与えたい。だから赤井英和さんに事情を説明して欲しいと伝えました。数日経って赤井英和さんから「分かりました」と快諾。よぉ~し!これで行くぞ。もう1歩も引く事は出来ない。
こうしてOSGは久しぶりにテレビCMを、まずは福岡と関西地区と首都圏の7都府県の「緊急事態宣言」地域に放映しました。
6月には少ない数ですが全国ネットの番組にも流れます。
是非見て下さい。

(次回に続く)

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