代表取締役 湯川 剛

2003年、OSGは日本製のOSG製品を香港上場会社天然社に向けて輸出する形で中国進出の第一歩を踏み出しました。天然社からは日本からの輸入製品ではなく、中国現地生産の製品が欲しいとの意向が示され、翌04年に中国法人欧愛水基を設立。中国工場建設用地を探していたところ、台湾人経営者蔡&蘇夫婦との出会いにより「是非、私達FCP社の敷地をOSGの工場として活用下さい!」と提案されました。これらの話は何度も「人プラ」で既にお話ししているところです。

欧愛水基の「工場見学」と「水の科学館」の「水の旅・基地旅行」企画が各代理店から浮上し、早く具体化させる必要に迫られていました。 今、検討案として挙がっている「二者選択」に関し、長喜の孫董事長に話してみたところ、彼は「湯川会長、思い切って上海に来ませんか」と新たな選択肢を提案してくれました。
「上海?」
上海のどこにそのような工場があるのか。コスト面においても、ここ蘇州呉江市(現、蘇州市)だから採算が取れている訳で、大都会上海市に工場を持つ事はコスト面においても非常に困難だとの認識を伝えました。

「『基地旅行』のコンセプトとして水の都を誇る蘇州は良いコースだと思う。しかし「上海」は中国のどの地域から見ても「行ってみたいところ」だという孫董事長なりの見解を私に説明してくれました。私が蔡&蘇夫婦との人間関係を大事にしている事も考慮した時、紹介はしたけれどやはり真向かいの工場は難しいと、孫董事長自身も考えていたようです。

「実は上海郊外に私が造った工場団地があります。もし湯川会長が上海に進出してくれるならば、私も考えます。会長との出会いは既に10年以上になりますが、一度も仕事でご一緒した事はありません」。
「上海進出」と新たな第3の選択肢が孫董事長から提示されました。

私は1カ月後に予定されていたスケジュールを変更し、「長喜工業団地」を見学しに訪れました。上海虹橋空港から車で1時間30分程行った上海市嘉定区の長喜工業団地。上海市嘉定区は市内の北方で、上海市とはいえ郊外です。
日本の感覚でいけば、東京都ですが八王子市に工場がある感じでしょうか。
OSGではOSG東京本部(港区)とOSG工場(埼玉県川越市)との距離感に似ています。

孫董事長は日本への留学経験もあり、日本語は大変流暢です。私は代理店の要望として「OSG」の看板が必要である事も含め、改めて「基地旅行」の事を説明しました。
「湯川会長、よくわかります。私も中国人ですので看板があればお客様に説明をしやすい。湯川会長が希望する場所に看板を掲げて下さって結構です。その代わりこちらもお願いがあります。実は私はプロレスファンです。何度も日本でプロレスを見てアントニオ猪木さんとも湯川会長通じてお会いしました。数年前、上海では本格的なプロレスを行ないましたが、その道場もこの工業団地の中に作りませんか。工業団地ではありますが、モノ作り以外の場所としても提供したいのです。この工業団地には日本の製麺工場もあります。また日本建築の住宅展示場も設置します。いずれ日本人によるラーメン大学教室も構想の中にあります。そのような意味では今回の〝水の科学館〟は私にとって是非とも入居して貰いたい案件です。コスト面も考慮します!」

プロレス道場の設置は私の一存で決める事は出来ません。しかし「水の科学館」と「生産工場」が一体となった建物が実現できる可能性が急浮上しました。バスの乗り入れも駐車場も完璧です。そのような話が可能であれば、早く提案してくれればよかったと言いたいところですが、孫董事長も私と蔡&蘇夫婦との人間関係もよく理解してくれていたので、なかなか言い出せなかったようです。

ここで「上海工場移転」案が経営判断として出てきました。

 

【追記】
今年の2月に日本記念日協会に「4月8日」を「高級食パン文化記念日」と申請。併せて「4月8日~5月9日」を「高級食パン文化月間」を申請し、両方とも承認されました。
「4(食)月8(パン)日」と「5(高)月9(級)日」の語呂合わせです。
鹿児島県の民放のとある番組で「今日は何の記念日」でこの「4月8日」と「4月8日~5月9日」が「高級食パン文化記念日」と「高級食パン文化月間」であると紹介されました。

高級食パンブームと言われていますが、今や高級食パンは一つの食文化です。と、そんな感じで申請した訳です。

さて実は承認された後になって気づいた事があります。
パンの教科書では、「仕込水は弱酸性の水が適している」と書かれているらしいです。
その真逆な「アルカリイオンの水」を使用して何とか「新しい食パン」が出来ないかと模索していました。パートナーである高橋社長による「水にこだわるパン作り」は創業の数年前から行なわれていましたが、真逆なアルカリイオンの水を用いた事で試行錯誤は何カ月にも及び、失敗を繰り返していました。「これならイケるかも!」と手ごたえを掴みかけた時期が、なんと4月初めから5月のゴールデンウイーク明けだったのです。あまりの偶然に驚きました。2018年の出来事です。
まさに水にこだわる高級食パン「銀座に志かわ」の原型が誕生した瞬間です。その事実を知らされて、思わず鳥肌が立ちました。全くそのような事を意識する事無く、単なる語呂合わせで申請していたのです。不思議な事です。

私にとって日本記念日協会への記念日申請は、今回が2度目の経験です。
1度目は「6月26日」を「世界格闘技の日」として申請しました。ただ、申請者は私の名前ではなく、アントニオ猪木氏の名義で申請し、承認を貰いました。
この6月26日は1976年6月26日の「猪木SVアリ戦」の日です。
後に日本記念日協会の関係者に聞きましたところ、大変な反響があったとの事です。

皆さん、頭の体操で何か記念日を制定してはどうでしょうか。
日本記念日協会からの承認を得るには多少の費用は掛かりますが・・・。

(次回に続く)

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