代表取締役 湯川 剛

「ガイアの夜明け」の番組終了以降、OSGグループのお取引先様から「銀座に志かわ」ビジネスに加盟したい話が更に増えてきました。あわせて、各地での開店予定が次々と決まってきました。
契約を締結する。店舗予定地が決まる。研修が始まる。店舗設計に入る。機械を導入する。研修生が帰る。自社店舗でオープン前の研修を行う。開店の準備をする。この一定の流れが日増しに増えてきました。「根上」の「5年100店舗出店」を超えるべく「3年100店舗出店」を目指す「銀座に志かわ」としては、まあまあの滑り出しです。実際には、準備期間を含めると「30か月で100店舗」出店になります。特に「根上」の坂根社長から「3年で100店舗」構想に対して「考えが甘い」と公共の電波を通じて言われました。坂根社長からの「考えが甘い」の言葉を𠮟咤激励と受け止め、何としても「3年で100店舗」を成し遂げなければなりません。

2019年当時は、「銀座に志かわ」の店舗が1週間に数店オープンする事も珍しくありませんでした。そんな最中「工房のオーブンが間に合いません」との事態が起こりました。加盟店オーナー様は多額な費用を費やしておられるので、1日も早く資金回収を希望されています。そんな中で「オーブンが間に合わない」という事は、新規開店の日時もズレるわけです。1週間程度のズレなら何とか対応できますが、数か月も納品が間に合わないとなってくれば大変な事態になります。加盟店オーナー様にその説明をしても納得されません。

私は、すぐさまオーブンメーカーのトップとの面談を行いましたが、増産計画と言ってもそう簡単にできるものではない事も分かりました。当社が指定しているオーブンメーカーは他社にも納品しているため、当時の「食パン専門店」業界の開店ラッシュで少し強気なところもありました。これでは新規開店の日程が第三者にコントロールされる懸念がありました。この状況が長く続くようでは、経営にも大きく影響を与えます。現状の問題解決と同時に将来を見越して、私は手を打たなければなりません。そこで、工房機器を納品しているMCS社に「中国でもオーブンなど製造している会社を探してほしい」と依頼をしました。

私は、こうだ、と決めるとそこに集中して動く癖があります。逆に言えば、それ以外の事は後回しにしてでも動きますので、後回しされた案件はたまったものではありません。
「1日24時間」の中で、優先順位によって成果が変わる場合があります。いずれにしても、私は将来を見越して「中国対応」可能なメーカーを探しました。MCS社から「S機械が中国にも製造工場がある」との報告を受け、すぐさまS機械のT社長と面談を行いました。その結果、銀座仁志川とS社とMCS社の3社での資本業務提携を行うことになりました。「工房のオーブンが間に合いません」との報告からわずか3か月後の出来事です。

私は設立時より「食パン専門店」ビジネスはベンチャービジネスだと位置付けしています。ベンチャービジネスの教科書には、ベンチャービジネスの「命」はスピードと行動力だ、と書いてあります。

次回、4月20日に掲載します。

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