「湯川君は嘘つきやなぁ」「えっ!?どうしてですか」
先生は、こう指摘されました。「湯川君は日頃から社員は私の子供・兄弟のようだと言っている筈だ。にも関わらず、結局は自分の子供だけの1冊の本を作るのか。読んでみれば君の社員にも読ませていい内容じゃないか。」と言われました。作る目的が違うので少々、その指摘には抵抗がありましたが、基本的には先生の指摘・意見には逆らう事はしない方針で、今までお付き合いしてきましたので、黙って聞いていました。
「しかも1冊作っても、100冊作ってもコスト的には同じだろう」と言われました。
「世界中に1冊しかない」「1冊50万円」これに価値があるのにと思っていましたが、社員さんの事を言われると私としては非常に弱く、「分かりました。その方向で検討します」と返事。
すると先生は更に、「それでも1冊5000円にはなるぞ」「もし1万冊作ればコストは100円。むしろ1万人の人に読んでもらうようにすればどうだ」と本来の目的からどんどん離れて行きました。
ただ先生は本そのものを否定されたり、指摘されたりしている訳ではありません。むしろ積極的に私の考えを応援して下さっているのだと思いました。それはやはり初めての事でした。
多分、だから私も先生の意見に従っていたのかも知れません。
勿論、内容は一般受けするものに書き換えなければならず、その為にまた2年の歳月が掛かり、1986年(昭和61年)に第2版発行として作りました。
タイトルは「未だ見ぬ本当の私への発見の旅」としました。
今このテキストはOSGコーポレーションの社員教育の教材として20年以上使用しています。
同時に社外向け自己啓発セミナーの教材としても使われ、第2版発行の3年後、1989年(平成元年)に1万冊を増刷。この20年間で約8000人以上の方々が使用されています。
まさに先生のご指摘通りでした。
それにしても結局は、子供の為にと思って作ったものが会社の為に使用し、相変わらず「家庭を顧みず」の仕事一筋のダメ親父でした。
ちなみに「未だ見ぬ本当の私への発見の旅」の目次は、下記の通りです。
まえがき
@本当の私
A私の目標設定について
B私にとって成功とは何だろう
C私を動かしているのは誰
D私の成功と失敗はわずかな差
E私を邪魔するのは誰
F私の棚卸し
G私はいつもGチャンネル
H強い私、弱い私
I私は私
J私は失敗の恐怖に負けません
K私は人生の主人公
Lあるべき私の姿を絵に描きます
M習慣は私を変化させる
N私はみんな、みんなは私
O私にあるのは今≠セけ
P私が私を強くする
Q私に勇気ある言葉
あとがき
(次回に続く)
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