代表取締役 湯川 剛

1986年からのOSGは、1970年創立からの15年間とは違い、将来へ向けての布石を打つスタートの年でもあり、OSGの企業文化の礎を次々と打ち出した年でもありました。
特に1986年から1989年までの4年間は不思議なくらいに生み出され、前回までに掲載された社歌や小さな努力賞・ホノルルマラソンなど、20年以上継続されています。

今回紹介します「ハイ、喜んで実践教室」も1987年に誕生し、既に22年が過ぎました。
「ハイ、喜んで実践教室」とは、具体的には「話し方教室」です。この「話し方教室」はOSGの社員教育の一つであり、まずは新卒社員入社早々に取り入れられます。
OSGでは「話す」という事を重要視しています。人間関係を構築する上にも「話す」という事は非常に重要なものです。また「話す」内容そのものがその人の人間形成に大きな影響を与えると認識しています。ところが私達は意外と「話す」という事に無防備なところがあります。

一般的に「話す事」には目的と機能の関係があります。例えば、@知らせる(報告する)、A分からせる(説明する)、B行動させる(説得する)、C改めさせる(忠告する)、D楽しませる(語る)などがそうです。それだけに「話す」という事を無防備・無法則にしてはいけないのです。
またその人の心の傾向性が話す全般の流れに必ず影響しています。常に否定的に話す人もいれば、前向きな傾向性を持って話す人もいます。当然、その人の人間形成に大きな影響を及ぼします。また「話す」事は、相手は「耳」で聞いているのではなく、「目」で聞いているのだという法則を意外と知らないものです。

会話は、双方向のコミュニケーションです。人間関係を築く上で欠かせないものです。これは私達が社員教育をする上で不可欠なものでありますが、同時に人間形成にとっても重要なものだと認識しています。殆どの新卒社員がそうですが、話す事が苦手な社員さんもこの「ハイ、喜んで実践教室」を受講する事により、数年後に想像出来ないくらい大勢の人の前で堂々と話が出来るようになります。時折、販売店様等から「OSGの社員さんは、非常に話し上手な方が多いですね」と評価して下さいますが、実は入社当時は殆どが話す事が苦手な社員さんばかりです。そんな関係からこの「ハイ、喜んで実践教室」は、他社の社員教育にも採用されます。

なんと最近では中国で、この「ハイ、喜んで実践教室」を開催しました。日本と同じように、お得意先様の社員教育に依頼されたものです。中国名を「好!我愿意実践教室」と呼びます。日本と違うのは、参加人数の多さです。一度に300人以上の参加です。噂が噂を呼び、依頼殺到の状態です。こちらも限度がある為、依頼の全てをお受け出来る訳ではありませんが、反応はむしろ中国の方が「凄い!!」の一言です。発表する参加者の話の内容によって全員が涙する事もあります。

ちなみに、私が何故「話す」という事に関心を持ったのか。それは昔から「話す」事が大変苦手だったからです。いじめられっ子が格闘技選手のファンになり、「強くなりたい」と思うのと同じように、他人の話し方やその内容に人一倍関心を持って観察していました。話す事への苦手意識が話す事への無関心や拒否でなく、むしろ「関心」という形で自分に近づけたのです。正直、今も話す事は得意ではありません。しかし「人間は変われるんだ!」という事を自らが実践・体感し、一人でも多くの方に体験して欲しいという思いが、この「ハイ、喜んで実践教室」を生み出しました。

(次回に続く)

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