1970年8月に創立したOSGはこの年(1989年)19回目の創立月と20回目の熱い夏を迎えました。
8月に創立イベントとして、ラスベガスで大きな評判を得たスーパーマジックショーのジークフリード&ロイ・イリュージョンの貸切公演をやろうという話が出ました。この公演は、関西テレビ放送開局30年特別企画として持ち込まれた企画で、「世紀のマジシャン」呼ばれるチームの来日公演で、先に開催された東京公演は大変な話題でした。
それまでのOSGのイベントは主に創立式典をホテルで行なうなどで、その出席者は社員さん及び家族を含めて約1000人規模のものでした。
ところが、この「スーパーマジックイリュージョン」の規模は、約6000人という今までの経験を遥かに超えるものでした。
そんな未経験規模のイベントを十二分に検討もしないまま「やろう!」という決断はまさにOSG的発想で、現実的になかなか難しいものがありました。招待者に「チケットだけ渡せばいい」という話なら何も悩むことはないのです。しかし全てOSGと関係のある方をご招待するとなると、単に事務的な処理で済む話ではありません。
OSG製品ご愛用の最終ユーザーのお客様、OSG製品を販売して頂いている販売店様、それぞれに対してどのように対応すれば良いのか。社内で議論になりました。
製品ご愛用のお客様は抽選で当選した方をご招待するとして、その対応はどうするのか。販売店様の席を良く見えるアリーナ席で確保するなら、スタンド席は誰に座って貰うのか。また社員さんの家族への対応はどうするかなど、難題が次から次へと出てきました。
大きな課題は、席順の決定とその日のご招待者への対応に関してでしたが、席がアリーナ席とスタンド席がある限り、全てのご招待者に平等に対応する事は現実的に不可能だという極々当たり前の事に気がつくまでに何日もかかったのです。しかし私はそれでも良かったと思いました。「どうすれば喜んで貰えるのか」「どうすれば失礼がないか」というOSGが出来る限りの「お持て成し」を真剣に議論する事の方に意味があると、この「スーパーマジックイリュージョン」で勉強しました。
結果的には多くのご招待者様から喜びの声を頂きました。
中には、ふれあいの海で出会った車椅子の子供達もイリュージョンを楽しんでくれました。
そしてこの年の12月に私達は、来年の大きな節目を迎える「創立20周年記念」に対して大きなイベントを決断しました。
翌年(1990年)に大阪で開催予定の「‘90花と緑の博覧会」への出展です。
大阪万博が開催された1970年にOSGは産声を上げました。それ故に「万博」という言葉に、大変に意味深いものがあります。その「万博」が同じく大阪で20年振りに開催されるというのです。
もしこの花博に出展しなければ、次の万博開催の機会まで待たなければならない。20年のOSGの軌道を確認する意味においても、何としても出展しなければならないと思い決断しました。
OSGは産声から20年。私達は万博を「見る側」から「見せる側」へと変わったのです。
追記 |
(次回に続く)
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