代表取締役 湯川 剛

3月から5月の出荷でD社2万台、I農機2万台、自動車部品M社5000台など、従来のガソリンスタンドを中心とした販売ルートだけでなく、新たな販売ルートも構築しました。こうして全国の販売店強化をしながら、同時に社内の販売強化にも力を入れました。その中の1つに個人面談があり、主に幹部・管理職社員を中心に行ないました。

個人面談は、
1.企業経営において最も重要なものは何だと思いますか。
2.OSGの成功のカギは何だと思いますか。
3.5年後に誰がこのOSGを支えてくれると思いますか。
4.「販売なくして未来なし」という言葉に対して、どう思いますか。
5.業界最強の販売部隊を如何にして作るかという考えがありますか。
6.会社の本当の商品は何だと思いますか。

これら6点の質問をしながら、改めて会社とか営業について、お互いの意見を交換しました。

ちょうどそれと同じ頃、4月に入ってOEM商品でクレームが入りました。ここで私が反省させられたのは、私のマネージメントのどこかに「販売重視」があり、それが「その他軽視」につながっているのではないかという事です。いくら販売の努力をしても、それ以外の事でミスをしていては株式公開どころではなくなるという反省を突きつけられました。

販売店様には満足して頂けているか。
販売店様とのコミュニケーションは大丈夫か。販売店様のニーズや変化は掴んでいるか。
売掛金回収は大丈夫か。
製品に問題はないか。
次の製品開発は準備しているか。競合他社の製品に関心を持っているか。
協力関係企業とのコミュニケーションは大丈夫か。
価格は常に見直しを行なっているか。
協力関係企業各社に変化はないか。
在庫は適正か。過大在庫・不良在庫はないか。
社員さんとはコミュニケーションが取れているか。
社員さんは育っているか。社員さんが抱える問題を把握しているか。
社員さんにこの仕事に対する誇りと使命を感じて貰えているか。
学生はどれだけ我が社に関心を持ってくれているか。
折角応募してくれた学生に対して、我が社に興味を持って貰っているか。
資金的な問題はないか。金融機関との関係は親密になっているか。・・・

数え切れないあらゆる課題に気配りしても、株式公開の条件は揃わないと改めて思いました。言葉で「株式公開をやろう」と簡単に発言してしまったが、言葉や思いと現実とのギャップに想像以上の開きがある事を痛切に感じました。

しかし「株式公開をやろう」と発言した事には、何の迷いも後悔もありませんでした。むしろこれ位をクリアしないで何も求める事は出来ないと、更に闘志が湧いてきました。
「思い以上の行動なし。行動以上の成果なし。」改めて自分に確認しました。

(次回に続く)

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