代表取締役 湯川 剛

私が目にしたのは、関西大学の新聞記事でした。28年振りの大学名です。

調べてみると関西大学では1993年度入学者を対象に、商学部より「社会人枠」の採用を開始したとの事でした。ちなみに関西大学と同じく夜間学部を設けていた大学としては大阪市立大学がありましたが、やはり28年前に戻る為には関西大学しか考えられませんでした。

入試科目は英語と論文と面接という事です。私にとって大きな課題は英語の受験ですが、幸いに社会人枠は「辞書の持ち込み可」という有り難い特典というか、むしろ温情がありました。
とはいえ、いくら辞書を持ち込んだとしても28年間、英語とは全く疎遠の人生でしたので、ある程度の確信がないまま、やみくもに受験手続きをするのは無鉄砲な気がしました。
そこで大学時代に英会話クラブに所属していた長男に相談したところ、「辞書である程度の単語を把握したら、その後は親父が今まで生きてきた経験で大体のストーリーは分かる筈だから、あとは勘で文章を作成すればよい」とのアドバイスで妙に納得し、受験の手続きをしました。

1994年度の関西大学の受験の手続きを行ないました。
入試要項を確認すると、なんと試験日は1月15日。私の47歳の誕生日でした。

朝10時30分から1時間、問題の英語の試験があり、持ち込みの許される辞書は「英和辞典1冊に限る」とされ、電子辞書は対象外でした。「英和・和英辞典」「英和・英英辞典」なども不可で、また試験当日、大学からの辞典の貸与は一切行なわれないとの事でした。
そして13時から小論文の試験が1時間実施され、続いて面接試験が14時15分から開始されるというスケジュールでした。

ともかく「大学に行く」と決めた途端、それまでの自分の思考回路にはなかった「受験」「英語」「大学」という文字が日々の仕事の中にも侵入してきました。勿論、結果が出るまでは一切隠しておこうと思いながら、商談中に突然、英語や受験の話題になったりして相手が今までと違った話題に困惑していました。

受験手続きをするにあたり卒業証明書が必要との事で、私は28年振りにすっかり変わった母校を尋ねました。そこで知った事は28年前の母校の個人データには、私だけが唯一当時の卒業生の中で「卒業後の進路不明」とあり「父親の倒産の為か」と記載されていると教務課の方に言われました。
そういう事情もあり教務課の方はすっかり「卒業証明書は就職の為に必要だ」と勘違いされたようで「世の中は不景気だけど46歳で新しい就職先が決まってよかったですね」といった内容の話を教務室の方がされたので、私も受験である事などは一切告げずに、一言「頑張ります」と言って卒業証明書を受け取りました。

 

【追記】
昨年10年振りにホノルルマラソンに参加し(関連記載:第107回)6時間56分44秒にて完走しました。
今年1月1日(第121回)でも書きましたが、今年のホノルルマラソンの目標として「42.195キロ、5時間台での完走」を掲げました。最低でも、昨年タイムより1分でも縮めたいところです。

結果は次回12月15日の更新時に発表したいと思います。

(次回に続く)

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