2012年、今年もよろしくお願いいたします。
OSGグループでは、「東日本大震災により2012年の年賀状を控えさせて頂きます」として、昨年末に1年間のお礼状を出させて頂きました。
さて昨年も多忙な中で月2回の「人生はプラス思考で歩きましょう!」を掲載できた事を、少しだけ満足しています。
2004年の秋に社員さんから「ホームページの中身は常に更新。」という事で、私に掲載依頼があり、私が「とんでもない。文章力もない私が書ける筈がない。」の断りに、社員さんが 「誰も読んでいませんから」と妙な説得で書き始めたのが、2005年1月1日からの掲載です。
月2回ペースで7年間、167回も続くとは思っていませんでした。
今回は新年を迎えて、それに相応しいお話をしたいと思います。弊社のお得意先様の話です。
OSGグループに水宅配ビジネスの株式会社ウォーターネットがあります。
ウォーターネット千葉の加盟店様で、千葉測器の会長様から聞いたお話です。
昨年末、千葉測器様を訪問した際、玄関先に「100年企業目指して」というポスターがありました。
千葉測器様は社名の通り測量機器の販売で事業を開始されましたが、現在はOA機器の千葉県下ナンバーワンの販売会社です。そして今は水宅配事業にも大きな力を注いでおられます。
昨年、43歳になられたのを機にご子息の専務に社長を譲られました。
その中村会長に「100年企業を目指して」についてお尋ねしたところ、
「私は2代目。千葉測器は今年で63年。37年後に100年を迎える。4代目にあたる孫が現在3歳なので、100年を迎える時には40歳。」
よってこれから4代目になるお孫さんに帝王学を教えていくとの事です。
「湯川さん。100億企業より、100年企業の方が価値がある。」これは凄い話です。
私はこの話を伺いながら、事業とはこういうものだと思いました。
若さいっぱいの現社長は100年を迎える時には80歳です。そしてエネルギッシュな中村会長は110歳を迎え、十二分に100年企業を見届けられると思います。
弊社では千葉測器様と違って世襲制を行なっていませんが、中村会長のお話を聞くと世襲制も素晴らしい一面があるのだなと思いました。
さて弊社が100年企業を目指す為には、如何に次のリーダーにバトンタッチするかという事です。ここで大阪府経営合理化協会が発行している「合理化」の2012年の初冬号の「中堅・中小企業を永続させる事業継承」という巻頭言を私に執筆せよとの話がありましたが、お断りしました。しかし協会では、弊社の社長交代がユニークであるので掲載せよとの事でした。
この文章から弊社が100年企業を目指す為のリーダーへのバトンタッチする考えを一部理解して頂ければと思います。
尚、掲載した事で2つの依頼が来ました。1つは偶然な事ですが、大阪府経営合理化協会から500号記念発刊に際して「100年企業を目指して」の執筆依頼と3月に協会で「リーダーへのバトンタッチ」としての講演依頼が来ました。
如何に事業継承が大きな関心事である事を改めて認識した次第です。
中堅・中小企業を永続させる事業継承
1970年に23歳で会社を創業し、今年42年目を迎えます。
本人はワンマン経営者だとは思っていませんが多分、周囲はワンマン社長だと評価していたと思います。少なくとも私が60歳までの社長時代は、「超ワンマン経営者」であったではないかと思います。そうしなければ、いつ潰れてもいい生い立ちの会社でしたので、会社を成長させ事業を継続させる為にはやむを得ない対応だったと思います。
創業から20年間は年齢的にも後継者問題など考える事すらありませんでした。
私が43歳であった創立20年に「10年後に株式上場」、創立25周年には「60歳で社長を譲る」と全社員に宣言しました。
創立31年を迎える5日前に株式上場が決まりました。後は60歳で社長を譲るという約束でしたが、上場後の社長の責任は想像以上に重く、安易に社長職を移譲する事は出来ません。
しかも私には社内で身内がいない状況を自ら作っていましたので、役員や全社員の中から私の後継者を選任しなくてはなりません。結論的には私が60歳の時、社長を譲る事にしました。
超ワンマン経営者の私は、私を除く役員の投票で決めるという民主主義な方法を採用しました。結果的には役員の中で最も若い39歳の役員が選ばれました。
そこで私は次の4点を重視しました。
@会長職である私は「未来ビジネス」を担当し、新社長は「親会社」を担当するように役割を明確にしました。具体的に言えば、私の役割は海外戦略(主に中国)や新事業(水宅配事業・M&A)立ち上げです。
AOSGグループ会議(5社)では私が議長を務めますが、親会社の会議では社長が議長ですので、私は出席しません。人事権や新製品開発、ボーナス査定も全て社長が決定します。
B細かな事ですが、役員や社員さんの前では新社長には敬語を使って話をする。
C役員が新社長を選任したので、新社長の経営方針に従わなければ、役員の解雇もあり得る。
私が会長職になって今年で4年目を迎えますが、その間に感じた事は「喜びは倍に、悲しみは半分に分け合う」という言葉を実感しています。今までの私は特に問題は1人で抱えていました。新社長誕生にて役員時代とは違い、二人の関係が更に緊密になりました。
今から思えば、もっと早くに社長職譲渡しておけばとも思います。それは次の経営者の為ではなく、バックアップする私自身の年齢が若ければ若いほど良いのです。
事業継承で最も注意すべき事は、継承すべき人材がいない事が問題ではなく、継承してから教育する自分自身が衰える事が問題なのです。
(次回に続く)
ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp