代表取締役 湯川 剛

1998年4月4日に入社式がありました。
当時は、その前年の北海道拓殖銀行の破綻を皮切りに、銀行の統廃合が相次いだ上、山一證券の倒産等、金融不安が一気に吹き出した時で、近代稀に見る景気停滞状況にありました。
何よりも過去最大の16兆円の景気浮上策を発表した事を見ても、如何にその経済状況が厳しかったかという事を感じます。そんな荒波の経済情勢の中で入社式は行なわれました。

4月1日より施行された金融ビッグバンの影響から、外国資本の銀行・証券会社・生命保険等が大量に押し寄せ、当時は「黒船襲来」という文字が新聞・雑誌紙面でよく見られました。
勿論、金融だけがグローバルスタンダードを求められているのではなく、我々のような中小企業もグローバル化を目指さなければならないと入社式で強く訴えました。

まさに我が社の社歌の3番を実践しなければならない環境になった訳です。

ここで以前紹介(103号掲載)したと思いますが、改めて社歌を紹介します。

@朝日(あさひ) ()える 浪華(なにわ)(さと)
今、生れたる 社風(かぜ)ひとつ
精髄(せいずい)探求(きわ)める 道程(みち)峻険(けわ)
一騎当千(いっきとうせん) 「三愛誓詞(さんあいせいし)
我等(われら)OSG 栄えあれ

A(はばた)御社旗(みはた) 「活日(かつじつ)(おしえ)
今、(つど)いたる その生涯(はて)
石の(いわお)に 成る日まで
鋭気団結(えいきだんけつ) 「三愛健児(さんあいけんじ)
我等OSG いざ行かん

B理想は崇高(たか)く 世界の海へ
今、()()かん 燃える同志
荒波越えて 首舵(かじ)()れば
一天四海(いってんしかい)の 「三愛精神(さんあいせいしん)
我等OSG 永遠(とわ)にあれ


この社歌はOSGが創立10年(1980年)を記念して作りました 。
当時から18年後の状況を予測したわけではありませんがいつかは世界に通じる仕事がしたいと言う思いはあったのだと思います。

だから社歌の三番に未来を込めて作詞したのでしょう。
明治維新以来の開国の大変化の時代と言われる今こそ、私達のような若者集団がこの状況をチャンスと捉えやり抜くのです。その為にも「若者は逃げない!気力と執念で難関に取り組む勇気が求められている。」と書かれた当時の入社式挨拶の原稿が今も残っています。
中国はじめ海外に向けて生きていかなければならないと、私自身がグローバル化に目覚めた瞬間の思いが、この入社式の挨拶に残されていると思います。

そしてこの同じ日。東京ドームでアントニオ猪木さんの引退試合が開催されました。
私は、無名なOSGのコマーシャル出演を快く引き受けて下さったアントニオ猪木さんの現役最後の瞬間を見届けるべく、入社式を終えたその足で東京に向かいました。
社会にフレッシュマンが誕生する一方、現役を引退していく偉大なスーパースターもいるのだなぁとリングサイドで思いつつ、いずれビジネス社会から引退するその日まで、私も大試合に挑むだけの条件を揃えておかなければならないと思いました。

3月に夜間大学を卒業し、4月から経営者としてフル回転出来る環境に戻った私は、お得意先様向けのCLSセミナー、そして来年入社の学生向けての企業セミナーを行ないながら、全国を東奔西走する日々を過ごしていました。

(次回に続く)

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