代表取締役 湯川 剛

1999年12月24日クリスマスイブ。
この日は、私にとって生涯忘れられないクリスマスイブです。恋人と過ごしたクリスマスイブならカッコいい思い出の話ですが、私らしくこの年のクリスマスイブは厳しいイブでした。

当日私は、大きなケーキと残ってくれた社員さんの数だけの僅かばかりの賞与袋をカバンに入れて、大阪からオムコ本社に出向きました。
聞くところによると、この数年、賞与らしい賞与も貰っていないとの事でした。
オムコの社員さんの気持ちになれば、新しい年を迎えるまでに早く気持ちに切替えたいだろうと考えていました。僅かばかりの賞与ですが、すこしは笑顔で新年を迎えて欲しいと思っていました。みんなでクリスマスケーキを囲んでイブを迎え、サプライズで賞与を渡せば、どんなに気持ちが和やかになるかなと思いながら、オムコ本社に着きました。

社員食堂には、協力関係企業が30社程集まっていました。
そこでオムコ社の会長が協力関係者の人達に私を紹介しました。
「とにかくOSGさんが引き続きやってくれるので、皆さん、安心して下さい」と私を紹介し、会長はサッサと逃げるように社員食堂から消えました。
4日前に会った5社の社長以外は初めての方々ばかりです。雰囲気的には殺伐としていて、協力するようなムードは一切ありませんでした。

私がOSGについて簡単に説明し、今後の対応について説明も兼ねて挨拶をしました。
依然、会場は凍りついたような雰囲気でした。そして私の挨拶後に次々と挙手や発言が飛び交いました。

「どうして会長がいなくなったんだ。」「債権者会議もろくにしていないのに。まずは決めなきゃならないことがあるだろう」「この場を債権者会議にしよう」「会長、出て来い!」とそんな声があちこちから飛び交いました。
中には「湯川社長には申し訳ないが、湯川社長が私達に話をする前に私達はオムコ経営陣に言いたい事がある」と騒然となり、私がここにいる事自体が場違いな状況でした。
私は社員食堂を出て、幹部の方に「協力関係者に事前に話をしているといっているが、どうなっているのか」そして債権者会議は終わっているという報告もどうなっているのかと問い詰めました。
貧すれば鈍するとはこの事で、やる事成す事が全くダメな方向へダメな方向へと流れていくものだなと、この時改めて思いました。
別の部屋ではオムコ社員が不安な気持ちで待機していました。

私は再建説明会が債権者会議になった瞬間「GOか、STOPか!」の迷いから、STOPにスイッチが入りかけていました。
オムコ社員さんには悪いですが、ケーキはそのままにして渡すべき賞与をカバンに入れたまま、私はオムコ社を離れました。
工場の門をくぐった時に「もう二度とここには来ないだろう」と思いました。

 

【追記】
今年の仕事始めでの事。
「今年はフルマラソンを3〜4回参加します!」と社員さんに約束。
そんな「公約遵守」にかなりのプレッシャーを感じながら、今年2回目のフルマラソン参加を先週末(9/8)に果たしました。

今年1回目の徳島マラソン(4/22)は、暴風雨警報発令の中を走りました。
そして
今回の「第7回磐梯高原:猪苗代湖マラソン」では、なんと熱中症注意警報が!!
午前10時のスタート時点で既に気温32℃。はたして無事に完走できるのか。
そんな思いがふと脳裏をよぎるのを払拭するが如く『頑張れ東北!頑張れ福島』と自身に気合注入!
なんの、これしきのアクシデントに負けてはいられません。
結果は、365着でのゴールでした。

参加者:3万人規模のホノルルマラソンや昨年参加した大阪マラソンでの結果であれば格好いい話しですが、なにせ猪苗代湖マラソンのフルマラソン参加者は552名。
応援ボランティアは、ニワトリとカラスの鳴き声という地方色豊かなローカルマラソン。今までと違い、のんびり・ゆったり走ることができて、暑くとも長閑なフルマラソンでした。タイム?・・・聞かないで。

さて、社員さんとの「今年3〜4回参加」の約束。計画では、大阪マラソンを3回目として予定していましたが、残念ながら抽選で落選。今年も残すところ3ヶ月。4回参加は諦めて、ホノルルマラソンで終わるのか・・・・。

広々としたゴール前風景。
都会の喧騒から開放された時間を満喫。
これぞローカルマラソンの魅力!

エイドステーションの案内板

のどかな給水コーナー/とても美味しかった

(次回に続く)

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