代表取締役 湯川 剛

OSGでは毎年決算月の最終日、例年1月31日の21時に終礼が行なわれます。
特に2001年1月31日の終礼には特別な思いがありました。
それはこの1年間の私達の成果に対し、株式公開企業として相応しいか否かの評価が下される一つの区切りだったからです。
現在ではテレビ会議システムを通じて全国の拠点と会議が行なえるようになりましたが、当時はまだそのようなシステムを導入しておらず、この終礼も電話回線を使用して行ないました。

皆さん、本当にご苦労様でした。365日の闘いは今日、終わります。
株式公開実現が出来るかどうか。まずは第1回目の対象年度が本日終わった訳です。
勿論、明日からも引き続き、私達の仕事は変わる事無く、経営理念に基づいて進められます。まずは今期ご苦労様でした。どのような結果になったとしても、この1年間、間違いなく会社も私達も少しは成長したと思います。
この数年間で監査法人の先生方から学んだ事の中に、「会社は、実績が100点満点でなくても第三者に説明が出来るような会社にする事が大事だ」と教えられました。すなわち「透明性が求められる」という事を学びました。
単に売上を上げるだけでなく、私達の行動を多くの人々が支持して下さり、売上にも協力して頂く事の重要性もこの1年間で学びました。これまで顔も名前も分からない第三者の方にOSGの株主になってもらうという事は考えた事のないものでしたが、株主公開するならば当然、必要な事です。私達の企業理念の中に「株主様」について一言も提示されていません。
これからは「株主様」に対する認識も持たなくてはならないのです。つまりこの30年間、私達が唱和してきた企業理念の見直しが必要となったという事です。
株式公開をやろうという事で多くの課題を発見しました。どれもこれもが必要な事です。
単に売上を計上するのではなく、発見した課題の解決にも取り組まなくてはなりません。
社員の皆さんはそのような意味では社史に残る闘いをしてくれました。
明日からはまた、通常通りの仕事が始まりますが、2001年1月31日の本日の事は忘れないでおきましょう。

そう挨拶し、缶ビールで1年間の労をねぎらいました。

まだ株式公開が実現出来るかどうかも分からないというのに、私はこの日の終礼の中で、企業理念の見直しが必要だという話をしました。設立来の企業理念に「株主様」という言葉はありません。OSGの「株主」といえば「私(湯川)」を指すものでしたが、それをこの終礼の場で「株式公開するという事は、私(湯川)以外の株主が誕生するという事だ」と話した訳です。
今までは社員さんと販売店様を含む協力関係企業の人々だけがステークホルダー(利害関係者)でした。そして株式公開を実現したならば新たに「株主様」が加わるのです。

「透明性のある会社を目指す」
株式公開の第1審査年度、第31期が終了しました。

(次回に続く)

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