4月の今月の言葉「ネアカ のびのび へこたれず」
カリスマファンドマネージャーと呼ばれ、テレビや新聞にも登場したF氏が4月1日、千代田区一番町に自らの会社「R」を立ち上げました。
約束通り、R社の第一号契約者としてOSGがサインをしました。この契約が後々のOSGの新たな事業誕生と人間不信の問題に出会うとは勿論思っていませんでした。
さて2月末に来日したN製薬から「4月18日に韓国で調印式があるので訪韓して欲しい」との連絡が入り、一気に両社の業務提携の話が進みました。
私は10名の幹部・管理職社員さんと共に17日に訪韓しました。簡単な打ち合わせを終え、18日にN製薬本社にて調印式を行いました。先方も多数の社員が参加されました。
R会長も参加され、その夜、R会長主催の食事会が開催され、OSG社員も参加しました。
N製薬の話によると「アルカリイオン整水器を販売した経験はないが、この数ヶ月で勉強になった。日本市場のようなアルカリイオン整水器60年のような歴史は韓国にはまだない。
しかし薬局ルートは6000箇所あり、まずは1割の600店が動くとの事。更に訪販ルートも確立し、テレビショッピングでも販売していく」との事でした。
私が以前にR会長やB常務に「市場は在るのではない。市場とは創るものだ」との言葉に非常に感銘して下さいました。それが薬局ルートや訪販、更にテレビショッピングという3大販売ルートをこれから構築していくきっかけになったとの事で、私も責任を強く感じました。
参加したOSGの社員さん達は、いよいよこれから韓国の市場に自分達の製品が広まっていくのだと、目の前で行なわれた調印式に強く感じ入ったとの事でした。
久しぶりの訪韓でしたのでT医療器商社のR社長を訪問しました。
このR社長との出会いはとんでもない経緯からの出会いです。(第93回)
過去OSGがなかなか浄水器の販売に市場が理解をして貰えず、一時アントニオ猪木さんをCMに起用して低周波治療器「リズムタッチ」を販売していた時の事です。
リズムタッチのパンフレットやチラシをそのままコピーした会社がT医療器商社。
日本語をハングル文字に変え、弊社の製品部分をT社の製品に差し替えている見事なくらい手抜きのパンフレットコピーをした会社です。
当時、私が突然訪問したので飛び上がるくらいびっくりし、「真似をしました」と素直に認め、その憎めない人柄にそれ以降、時々連絡を取り合っていました。ちなみにR社長は「私は製品コピーの名人です。もし日本の新製品が今月出来たら、必ず3ヵ月後にはそのコピー商品は韓国市場にあります。」と、悪びれる事もなく説明していました。そして「でも、OSGさんの商品は絶対にコピーしません。安心して下さい。」というので、私は更に驚きました。(第93回)
そしてコピーパンフレットを作ったお詫びにリズムタッチ1000台を購入した、そんなR社長に弊社社員と訪問しました。大歓迎で接待してくれました。R社長に「この度、N製薬と正式な契約をした」という話に「どうして自分にアルカリイオン整水器を売らしてくれないのか」と言ってましたが、過去に打診した時「いやいや、ウチは水はやらない。韓国市場で水関連は売れない。なぜなら水道水はタダ同然だから」と言った事をすっかり忘れていました。
それでもN製薬と取引した事には自分の事のように喜んでくれました。
彼のいつもの口癖は「湯川社長と通訳抜き2人きりで酒を飲みたい」「韓国語を勉強して欲しい」で、「私は見事なくらい語学音痴。R社長こそ日本語を勉強して下さい」と返事をしていました。
N製薬のR会長にしても、T医療器商社のR社長にしても、ビジネスの前に友人としての関係が先に結ばれ、それがビジネスへとつながったような気がします。
2003年4月はF氏が立ち上げたR社との契約から始まり、グローバル化の一環として韓国大手製薬会社との契約提携とまた新たな局面がスタートしました。
ちなみにこの年の2003年4月から9月にかけてNHKBSの海外ドラマ枠で「冬のソナタ」が放送され、2004年に冬ソナが大ヒットし韓流ブームが起こるのでした。
追記
昨年の11月に11年振りにソウル中心の明洞を訪れました。その明洞エリアの変貌振りに驚きました。当時はハングル文字での看板に何の店か分からなかったのですが、現在は日本文字及び中国文字の看板が掲げられていました。円安の関係か、日本人観光客が少なく、中国人観光客の多さに驚きました。
私はT医療器商社所有の本社ビルを訪ねました。
噂には聞いていましたが、今やその本社ビルも人手に渡り、R社長の連絡場所も分からず、この12年間の間に明洞エリアの変貌と同じように時代の流れを感じました。
(次回に続く)
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