代表取締役 湯川 剛

話は03年8月に戻ります。
女優の紺野美沙子さん起用のCM撮影が開始されました。
紺野美沙子さんがOSGのCMに出演して頂いた経緯は、第223回でもお話しています。
非常に気さくな方で話しかけて頂いたのですが、わずか数分の挨拶程度で終わりました。
猪木さんの場合はCM撮影の合間にはいろいろな話に盛り上がりました。舞の海さんの撮影の場合もそうでしたが、男性のCM出演者の方々とは撮影後、場所を変えて酒を酌み交わし、夜遅くまで話した事がありましたが、どうも女性出演者の場合、内容が噛み合わないので挨拶程度でいつも終了です。(昨年のアナウンサーの木佐彩子さん起用のCM撮影時も同様です)

さて、8月は2度に渡り訪韓し、韓国でセミナーを開催する事になりました。
テーマは「販売の本質」についてです。このテーマは日本国内では100回以上も行なっているのですが、通訳を通じて行なうのは初めての経験です。当初は国の違いで、成功するか心配でしたがOSGの韓国社員朴さんの通訳が上手だったでしょう。反応は日本と全く同じでした。

この朴さんがセミナーを終了後の控え室で、
「中国に関してお伝えしたい事があります」と6月に来日した中国一行の報告でした。

この話の前に当時の社会的状況を説明します。
2002年年末から2003年にかけて当時はSARS(サーズ)が流行していました。
SARSとは「重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome)」の英語名の頭文字からです。SARSコロナウイルスによる全身性の感染症ですが、新型肺炎の症状です。
02年11月に中国広東省で最初の患者が発生したと報告されています。その後、香港・北京などから感染した人々の移動によって世界中に運ばれ、拡大して世界的に大きな問題となりました。この7月末までになんと欧米・東南アジア等30カ国で、死者774名も出ていました。

当時の風潮では「中国人とは面談しない」というのが一般的な考え方でした。中には「中国人には宿泊させない」という宿泊施設もあり、また宿泊者がSARSに感染していた為、施設を一時休館し、全館消毒したという話も聞いています。そんな中国人一行10名が弊社を尋ねてきたのは、6月初旬の事でした

話を要約すると香港の上場会社T社をはじめ、アルカリイオン整水器業界団体一行が日本のアルカリイオン整水器メーカーを訪問するとの事でした。訪問先は大手家電メーカーP社を含め5社を訪問する為に来日したとの事でした。専門メーカーとしてはOSGだけでした。
ところがこのSARS問題でどの企業も面会拒否をしたとの事です。
OSGもやはりそのような状況なので社長との面談はお断りする事として、朴さんの判断で朴さん自身が対応する事になりました。

どの企業も拒否する中でOSGだけは対応してくれたと、彼等はOSGの対応にまず感激してくれたらしいです。関西空港に到着した彼等は、OSG大阪本社で訪日の目的を告げました。それは中国で家庭用アルカリイオン整水器の販売をしているのだが、電解力が上手くいかず、pH (ペーハー)も不安定である。そこで日本で誕生した家庭用アルカリイオン整水器メーカーを訪問して技術等を学びたいとの事です。
OSGも我々の出来る事は協力を惜しまないと伝え、中国一行と朴さんがOSGの埼玉・川越工場に行きました。そこで彼等は家庭用から業務用、そして産業用の弊社の製品を見て、驚きました。更に機能水として殺菌水製品の存在も知りました。なんとそこで香港上場会社T社の金菫事長が発注したのです。家庭用・業務用・殺菌水装置と、産業用以外の製品の発注でした。

但し、数量は大阪に戻る時に決めるとの事でしたが、我々とすれば機能水の知識や技術を教える事だと思っていましたので、朴さんは予想外の展開に驚きました。

(次回に続く)

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