「社長のお願いなら何でも聞きますよ」と言った手前、上海代理店社長が私に要求している内容を通訳に確認しました。
「アルカリイオン整水器が重要だという内容の寸劇を行ないたい。人間大の商品模型を劇中で登場させたいが、その中に湯川社長が入ってほしい」というもので、既に台本も出来上がっていました。
筋書きを簡単にいいますと、
公園で友達と太極拳をした後、明日の約束をして別れる。
しかし翌日、約束した筈の友達が来ないので電話をしてみると、今日は疲れているので休むと友達が言う。
そして友達が「なぜあなたはいつもそんなに元気なのか」と言ったやり取りが交わされる。
「アルカリイオンの水を飲んでいる」事を告げると、疲れた友達は「私はいつもコーラを飲んでいる。だから体が疲れるのか」と自分の日常を反省し、アルカリイオンの水はどこで売っているのかを尋ねるという展開のものでした。
ちなみに寸劇は、中国では1つの市民文化になっているらしいです。
話によりますと毛沢東が革命に成功したのは農民の力。ところがこの農民の殆どが学校に行っていない為に農民の識字率は非常に低く、文字で革命を伝えるのは難しい。そこで毛沢東は「国を変える重要性」をこの寸劇でやっていたらしいです。
現在では中国のテレビ番組に抗日ドラマが盛んに放映されていますが、同質かもしれません。
この寸劇を他の代理店より先に取り入れたいと上海代理店の社長は考えたのでしょう。
話を劇に戻します。
いつも体が疲れている友達が、アルカリイオン整水器を買おうと上海代理店に電話をする。
すると舞台袖から人間大のアルカリイオン整水器が飛び出て、その友達のところに行く訳です。箱には手と足だけがでていて軽妙な音楽に合わせて踊りながら出て行きます。「わぁ~、もう来た。早いね」と行ってその友達とアルカリイオン整水器が手を取り合って踊る訳です。
そして寸劇の最後に司会者が会場のお客様に向かって「皆さん、この箱の中に誰が入っていると思いますか」と尋ねます。ざわつく会場向かって司会者が「何と日本OSGの湯川社長です」と紹介するといった流れです。実際、会場は大爆笑で盛り上がりました。
通訳のOSG社員さんは自己の判断で、とてもこんな事を我社の社長にさせる訳にはいかないと抵抗してくれたのです。恐らく「自分が代わりに入る」と言ってくれたのかもしれません。しかし上海代理店の社長は「湯川社長が入るから意味があるんだ」と言ったのでしょう。
私は「喜んで協力させて頂きます」と言って、実現した事です。
反響は予想通り大うけしました。政治の北京、ビジネスの上海と言われますが、たぶん北京代理店ならこのようなアイディアはなかったと思います。
(次回に続く)
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