代表取締役 湯川 剛

話は2004年12月上旬に戻ります。
12月7日に日本機能水学術大会が東京で開催されました。私達の呼びかけで韓国代理店の日西製薬(仮名/N製薬)や天然公司(仮名/中国T社)が初参加。特に中国のパートナー企業天然公司は大変意欲的で、学術面からアルカリイオン整水器の必要性や価値を知った事で、彼らは早速、中国機能水学術団体を設立したい事を告げ、日本機能水研究振興財団の協力も得たいと申し出がありました。当然、韓国の日西製薬も韓国機能水学術団体のような組織を作りたいとの意向を示してはいましたが、積極的にアプローチする中国の姿勢はその比ではありませんでした。
韓国からは日西製薬1社のみが参加。中国からは天然公司以外に中国保健協会の幹部も多数参加していた事も積極的なアプローチに影響していたかと思います。
その翌日、糸川理事長や専務理事等、振興財団の理事の方々と中国保健協会を含む中国一行との懇親交流会を開催する事になりました。
早速、中国一行は交流会の席上で「来年の春には中国機能水学会(中国では中国効能水学会)を設立するので、是非とも北京に来て欲しい」と約束を求めました。

2週間後の12月27日、メーカーであるOSGと全国の天然公司代理店、そして天然公司本社の幹部らが天然公司本社がある珠海に会し、中国機能水学会設立に向けての第1回準備会議が開かれました。このようにここと思えば一気に押し進めるのが中国の凄いところです。

当時、私は中国では中国機能水学術団体の設立、また販売環境の整備や中国全土の代理店訪問に明け暮れ、日本国内においては水宅配新事業参入への動きにエネルギーを費やしていました。
2002年2月に発表した第5次4カ年計画の2大テーマ。
① 国境を越えられない企業は生き残れないとしてグローバル化を打ち出し、
② また従来の家庭用浄水器・アルカリイオン整水器の製造販売から、事業領域を広げる。
を具体的に行動する為、率先垂範で動いていました。

中国での長期出張。そして日本国内での私の行動を見ていた友人はじめ多くの企業経営者達は「湯川社長一人が全てを抱えているようではいけない。もっと他の幹部にもそれらの仕事を持たせるべきだ」という批判やアドバイスを頂く事が多くありました。
もし私が逆の立場であれば、同じような事を言っていたかもしれません。私自身、その声に納得している部分もありましたが、同時に反発を感じる部分もありました。
「未開地の中国大陸を開拓する人材は自分以外にない。また単なる新事業立ち上げではなく複雑な交渉を必要とする民事再生という案件に対し、自分以外の適任者は見当たらない。
豊富な人材や潤沢な資金がある状況下でならばともかく、与えられた時間も資金にも限りがある中では、自ら先頭に立つ他ない。頭打ちも陣頭指揮していればこそ得られる体験だ」といつも思っていました。
「幹部に任せたらどうか」そんな批判的な助言にいつも心のどこかで反発してしまいます。
OSG幹部が本来の事業をしっかりと守ってくれている。だからこそ私は安心して未体験ゾーンに一歩踏み出す事が出来るのです。私自身が体験をしていればこそ、いつかバトンタッチする次のリーダーに対して真の理解とバックアップが出来ると信じているのです。

例年以上に慌しい2004年と57歳の1年間が過ぎました。

 

【追記】
前回より名前の頭文字を取って、韓国N製薬や中国T社等の表現は止めて、今年より仮名で表現するようにしました。よって今までは韓国N製薬は今回より韓国日西製薬とし、中国T社は中国天然公司と変更しています。

また、アクアCジャパンを旧アクアCジャパンとし、アクアCを新生アクアCと次回より表記します。

(次回に続く)

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