馬場社長から都内にある加盟店を引き取って貰えないかという話が出ました。
「OSGがやれば、モデル加盟店になるので加盟金等の費用が発生しないのであればしてもいい」と以前の回答と同様に伝えました。
2月7日の夕方に新生アクアC社本部を訪問。
4日前に面談した時と馬場社長の話の内容は違っていました。
水ビジネスが本業ではないミカンガスが水宅配の本部業務を行なうにあたって、既存加盟店が不安がっている。そこでOSGが一枚加われば既存加盟店も安心するのではないか。
それが本来は、管財人からも話があった通り、今回の打ち合わせの内容である筈でした。
ところがこの日、馬場社長から出てきた話は「東京都内にある加盟店を引き取って貰えないか」という話題に終始し、約2時間の面談時間の殆どがこの話題に費やされました。
ミカンガス側としては民事再建にどれ程投資したのか、明確な数字は知りません。噂で聞く限りOSGの入札額の約5倍という情報もありました。それ故に「無償で加盟店になる」という展開は実現する筈はないだろうと内心思っていました。ミカンガスが多額な投資をされた事を考えれば当然の事です。
馬場社長の会話の中で少しずつ、都内加盟店引取りの話に終始する理由が判明してきました。
それはミカンガスが新生アクアC社の本部になった事に伴って、同じく旧アクアCジャパン社の加盟店であったアタック(仮名)が別の組織を作り、他の加盟店にも呼びかけてアタック側の加盟店に引き込もうとしている動きがあるという事でした。それが事実であれば。ミカンガスの立場を考えると許しがたい事です。そんな情報を耳にして何も手を打たずにいられる筈もありません。アタックに都内の加盟店を引き抜かれないよう、OSGで面倒を見て欲しい。馬場社長は率直な気持ちをストレートに口にされました。
「そんな事情があるなら前向きに検討しましょう」私は自らの性格上、ただ傍観しておられずに後日、協議する約束をして別れました。
その2日後の9日に、アクアCジャパン社の管財人とアドバイザー契約をしている小早川代表(仮名)から「会いたい」との連絡があり、彼のオフィスを訪ねました。面談の内容は2つ。
「旧アクアCジャパンが2つに分裂。ミカンガスと同じくアクアCジャパンの加盟店であったアタックが新本部を設立した。加盟店の取り合いになっている」
2日前に馬場社長から聞いた話の通りです。
もう1つの用件は、私にとって意外な内容でした。
「旧アクアCジャパン社のプラントとサーバーの在庫がある。これを引き取って貰えないか」
そういえば昨年12月に同代表から仮の話として私に4つの選択を示された時のこと。
「民事再建で入札先が決まっても土壇場でやらない企業もある。もしそんな事態が起こった場合、入札で外れたOSGはそれでも水宅配ビジネスに関心があるか」
そして代表が4つの選択を示された話は、前回お話しました。
①旧アクアCジャパンはOSG単独でしかやらない
②他社と組んでも構わない
③今回の入札案件以外でも水宅配ビジネスは必ずやる
④OSGは第1次を通過しなかったので、水宅配ビジネスは興味がない
ここで④はないので、①~③なら考えてもいいとの話から、今回③の案件が出てきました。
「旧アクアCジャパン社のプラント・サーバーの在庫をOSGで引き取って欲しい」
これは私にとって、非常に理解し難い話でした。
「サーバーやプラントの全在庫は、新生アクアC社が引き取るのではないのか」
私は素朴な疑問を投げかけました。しかし新生アクアC社は全在庫を引き取る事を拒否しているというので、私にはその理由が全く理解できませんでした。
即断即決が私のモットーですが、新事業でもあり例の都内加盟店の件もある為、「返答は1日待って欲しい」と回答に猶予を貰い、小早川代表の事務所を後にしました。
(次回に続く)
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