代表取締役 湯川 剛

今回は中国事業中心について書きます
前々回の話では私が中国の各ブロックで勉強会を夜中までした開催した結果、次々と注文が入る報告に疲れも吹っ飛ぶような電話でしたが、しかし次の「実は・・・」で私は喜びが逆に吹っ飛ぶ電話の内容でした。
「実は、不具合が発生しています」

5月に入ってゴールデンウィークの休日には一切関係なく、首都圏加盟店引継ぎにむけて、アクアC社とのやり取りが続いていました。
ゴールデンウィーク明けを待っていたかのように、私は中国に飛びました。
「実は不具合が発生しています」の内容に驚きました。内容が内容なので、すぐにでも中国に行きたいところでしたが、スケジュールがギッシリ詰まっていて中国に行けるのはゴールデンウィーク明けでした。他の幹部が行けば良いのですが、中国の会社は「菫事長が来て下さい」「菫事長でないと解決しません」との事で、私自らが出向く事になりました。
私のスケジュールの関係で何と1ヶ月も空いてしまったのです。
私はまず、無条件で不具合製品を交換するように指示をしました。
4月は水宅配ビジネス案件や台湾・韓国案件、更に各地で開催される企業セミナーから、スケジュールを移動させる余裕はありません。

実は中国において不具合と称するものには2通りあります。製品そのものに問題がある場合と中国の水質で不具合だと勘違いされる場合があります。
いずれにしろ1ヶ月前に「無条件で全品交換。私が1ヵ月後訪中するまでに原因追求や改善の結果を済ませておくように」と指示した事で、この1ヶ月間に不具合の再報告はありませんでしたが、「全品検査をした上でないと1台たりとも出荷しない体制」を改めて確認しました。
22日に再度訪中し、パートナー企業である天然公司の幹部達が蘇州にある工場の見学をし、工場全体に緊張が走りました。「日本製品は世界中で一番良い製品であるにも関わらず、このような不具合が出たという事が私達はショックだ」と天然公司の幹部達が口々に指摘をしました。日頃、白酒を酌み交わし、気心も知っている彼等でありましたが不具合に対しては容赦ない態度で会議に挑んできました。当然、彼等自身も中国全国の代理店から不具合が発生した場合は同じような言葉を聴いているのでしょう。当然と言えば当然の事です。
しかも片方では全国の代理店が「私達も天然布団以外にアルカリイオン整水器を販売したい」との機運が高まっているだけにこの噂は何としても小さい内に消そうという天然本社の意向でした。私はただただ申し訳ない気持ちでいっぱいでした。当然、不具合の原因の中には、そのエリアの水質の関係で起こっている場合もありますが、いい訳する事すら恥であると思いました。天然本部の幹部は同じ中国人である天然三愛(合弁会社社名)のワーカーの人達にも強く注意をしたので私は「彼らは悪くない。品質管理をしなければならない日本から派遣された工場長に責任があり、その責任は私自身にある」と伝えました。

ちなみに中国法人天然三愛(現社名 欧愛水基)が出来た当初から、私達日本人と中国人スタッフ及び中国人ワーカーとは比較的スムーズな人間関係を築いていました。
OSGは当初、販売は香港上場会社天然公司が行ない、製造部分は天然公司との合資会社天然三愛が担当を分けていました。よって本来は私の中国でのスケジュールは生産工場を中心に動くべきですが、工場は工場長に任せて私自身は全国の代理店周りに殆ど費やされていました。
それだけにワーカーの人達とは数ヶ月に1度しか会えません。その数少ない面談の機会に私は必ず、彼らと毎回当たり前のように食事会をしていました。
しかしある時、中国進出した日本企業から「中国人スタッフと食事することがあっても、トップが中国人ワーカーの人達と食事をする事はあり得ない」と言われました。そこで私は中国人スタッフ(財務・購買・営業等)の社員さんに確認したところ、「私達中国人スタッフも中国人ワーカーの人達とは食事する事はありません」との事でした。

私は同じ職場なのに、私がしている事はおかしいのかと確認したところ「それは企業文化だから決しておかしいことではありません」との回答でした。しかし数少ない事例だとの事でした。中には日本企業で中国人の人達を必要以上に警戒したり、中国文化を必要以上に排除している企業もあると聞いています。

話は戻ります。そんな人間関係も良好な職場仲間ですが、不具合に関しては妥協を許さず如何に良品を作るかについて話し合いました。

(次回に続く)

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