代表取締役 湯川 剛

2005年6月24日、アクアC社の第1回加盟店会に、首都圏加盟店の資格で参加しました。旧アクアCジャパンから引き継いだ新生アクアCの今後の方針発表等を聞いた後、文字通り懇親会で加盟店同士の交流を図り、新たな出発を確認する集会だと思っていましたが、予想に反して質疑応答で険悪な雰囲気の加盟店会になりました。
「旧アクアCジャパンの不満を新生アクアCにぶつけてどうするのですか。むしろアクアCのブランドを守って頂いた新生アクアCに感謝すべきではないですか」と最後に発言した私の主張が功を奏したのか、その後の懇親会では多くの加盟店代表者と名刺交換をしました。
そんな中には鋭い質問を投げかけていた加盟店さんもいて「今後共、OSGと交流をしていきたい」と新規加盟店として好意的に受け入れられたと感じ、主催者側のアクアCに対しても協力をした気持ちでいました。

そんな加盟店会から4日目の事。私の携帯電話に高山支社長からの着信記録がありました。
会議中の為、電話に出られなかったものの、恐らく加盟店会でのお礼の電話だろうと思っていました。その日の夕刻に再度、高山支社長から電話がありました。
「湯川社長、先日の加盟店会はありがとうございました。少しお知らせしたい事があります」
ありがとうございましたという言葉とは非常に不釣合いで陰にこもった声に何か違和感を感じました。「実は今朝ほど本部より連絡がありました」高山支社長は言葉を続けました。

「先ほど、本部より私に連絡がありました。たぶん本部はOSGさんを切る筈です」
私は一瞬、何を言っているのか分かりませんでした。感謝の電話だと私が勝手に思い込んだ事は別にしても「本部はOSGさんを切る筈です」という意味が飲み込めず、私は「何を切るんですか?」と高山支社長に質問しました。
「OSGさんとアクアC運営を一緒にはやらない筈です」
高山支社長自らの判断として、前もって湯川社長に知らせておく方がよいと思っての一報だったようで、「OSGを切る」という判断は赤澤社長の一存だという事でした。

「湯川社長は混乱する加盟店会を一言でその場を納めた。OSGは必ず第2のアタックになる。ならば加盟店会と深く交流させる事は危険だ」
「OSGを切る」原因が、あの加盟店会での出来事だと知り、驚くばかりです。

加盟店会の出来事といえば、OSGとアクアCが強固な関係が構築される要素との認識であれば理解も出来ますが、「決別」を突きつけられる状況の意味が飲み込めず、反発よりもただただ不思議な気持ちになりました。
1ヶ月ほど前の5月21日にOSGとミカンガスとアクアCとの幹部を交えた3社会議を行ない、その後の懇親会で今後共協力してアクアCブランドをリーディングカンパニーにしていこうと約束したばかりなのに、何故手のひらを返したような話になるのか、そう考えるとだんだん腹が立って来る一方で、青天の霹靂とはこんな感じの時に使う言葉なのかなと、冷静な気持ちでいるもう一人の自分も同時に存在していました。
高山支社長は、私が烈火の如く怒り心頭するのではないかと思ったらしく、それ故に事前に彼なりの好意として連絡をしてきてくれたようでした。
終始、冷静に受け答えする私に対し、高山支社長は安心したのか、包み隠さずその実情を話してくれました。

新生アクアCを引き継いだのがミカンガスだと初めてその社名を聞いた時、LPG業界での付き合いのある私はミカンガスがどのような会社なのか、早速、情報収集に動きました。LPG業界では大手であり、どのように事業を大きくしてきたのか、ある程度認識していました。
人間は自分の思考や行動を基準に物事を考え、その結果、相手もたぶんそうだろうと判断する傾向があります。あまり良い例えとは言えませんが、まるで「浮気者の焼もち焼き」です。
浮気グセのある主人が、少し外出した奥さんの帰宅が遅いと浮気しているのではないかと感じるようなもの。つまりこちらは何も考えていないのに、加盟店を言葉巧みにこちらの陣営に引き込もうとしていると思ってしまうのは、自身がそのような事をしているから相手も同じに違いないと判断してしまったのでしょう。
またもしかすればアタック社の影響が拡大し、その被害妄想が私に及んだのかも知れません。
いずれにしろ、そのような企業とは遅かれ早かれ、いずれは決別の道を辿るものでしょうし、高山支社長の事前の情報に感謝し、その準備をしなくてはならないと思いました。

しかし不思議な事が起こるものです。
「湯川社長、会わせたい人物がいるので6月28日にお時間頂けませんか」と電話があったのは数日前の事。電話の相手は、例のアクアC吹田プラントの中田支店長でした。
高山支社長との電話を切った1時間後、私は中田支店長との約束の場所へ向かいました。

指定された店に行き、私は驚きました。

(次回に続く)

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