代表取締役 湯川 剛

第2次衛生部ショックは、販売に想像以上の大きな打撃を与えました。
新聞をはじめ、各ニュース番組でも「アルカリイオン整水器問題」として連日報道されました。
中国ではまず、日本のNHKにあたる中国中央テレビ(CCTV)で報道されます。その映像を基にそれぞれの地域、例えば広東省とか江蘇省とかで再度報道されます。例えば南京代理店ではCCTVで報道された数日後に南京テレビ局でもニュースが流れるという感じで、1ヶ月近くにわたってテレビや新聞で報道され続けるのです。
購入したお客様からの返品もあるでしょう。同時に連日の報道は社員さん達を萎縮させ、販売意欲も低下。理解できる話です。

「この機会を逃さず、むしろこの機会を生かして中国に正しいアルカリイオン整水器の業界や市場を構築していこう」と私と金菫事長が方向性を決めても、現実的に市場は衛生部ショックの大打撃を避ける事は出来ず「私達も是非OSG製品を販売したい」「お客様集会に是非、湯川社長も参加して欲しい」とあれ程、積極的だった全国の代理店も意気消沈させました。

中国衛生部及び関係者に日本へ来て貰い、アルカリイオン整水器について理解して貰ったとしても、この7月21日から始まった衛生部ショックは立ち直りの出来ないところまで市場に打撃を与えて、無駄な行動計画になるのではないかという一抹の不安もありました。
中国では二度とアルカリイオン整水器市場が構築されなくなる。そんな不安が頭の隅に無かった訳ではありません。しかしアルカリイオン整水器市場が消滅しても、誤解されたまま終わるのは断腸の思いであり、時間が掛かってもしっかりと伝えなければいけないという気持ちが折れそうな意志の支えになっていました。

まず私は2つの事に取り掛かりました。
まず1つは日本側の受け入れ態勢です。
私は帰国後の8月10日に日本機能水研究振興財団の常務理事・事務局長と面談し、中国の事情を説明。中国衛生部一行が来日した場合の受入れをお願いしました。同時に、同日に元厚生大臣に面談を申し込み、同じように中国の事情を説明。中国衛生部が来日した時に、アルカリイオン整水器の医療認可を管轄している厚生労働省にも面談を依頼したいと申し入れしました。
当時は小泉第3次内閣で中国と日本の関係は良好ではありませんでした。しかし「中国の人々にも正しくアルカリイオン整水器の認識をして頂き、もし健康に貢献出来るならば、それは政治とは関係なく我々民間が経済活動の中で交流される」と伝え、了解して頂きました。

もう1つは意気消沈した代理店に従来通りの自信を持たせる事です。
この事は想像以上に厳しいものがありました。私が説明し、代理店の社長が納得しても、社員さんまで同様に前向きな気持ちになって貰えるだろうか。クールダウンの期間が必要だと感じながらも、7月21日から始まった連日の報道は地域によっては8月末になっても余波が続き、拒否反応も根強く残りました。
そんな中で唯一、明るい光を感じさせてくれた代理店があります。それが済南代理店です。そう、あの若い経営者です。(第261回に登場)
「お客様の返品は思った程、ありませんでした。この1年間で2000台近く販売しましたが、わずか2台です」と彼は言いました。
「劉さん、こんな時こそ社員教育をしましょう。私が温めていた社員教育をまず済南代理店でやりたい。私に2日間、社員を預けてほしい」

済南代理店と初めて会ったのは1年ほど前。その時の社員は100名足らずでしたが、この1年間、OSG製品を積極的に取り扱い、社員数は450名になっていました。
「分かりました。幸いアルカリイオン整水器が売れないので、時間は十分あります。湯川社長に預けます」
こうして私は9月4日に済南入りし、5日より2泊3日の研修を行ないました。

そして中国衛生部が10月11日から15日までの4泊5日、来日する事も決まりました。

二重三重の苦境に立たされている状態かもしれませんが、しかしただ単に苦難の中でじっとしている訳にはいかないのです。その中から少しでも明るい出来事を見つけるか、無ければ明るい出来事を作っていくかしかないのです。

苦しみの中から立ち上がれ!

(次回に続く)

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