社名も決まりました。資本金も決まりました。私は年明けからウォーターネット設立の準備に没頭していました。決めるものは多少の課題があっても、決断していました。
同時進行している中国事業は他のスタッフで対応していましたが、どうしても私自身が行かなければ前に進まない事もあり、中国からは「早く訪中するように」との催促がありました。
しかし水宅配事業の骨格など目鼻がつくまでは中国事業を気にしながらも水宅配ビジネスに特化する毎日でした。「二兎を追う者は一兎も得ず」の言葉がありますが、私の場合、「二兎を追う者二兎を得る」。「一石二鳥」いや「一石三鳥」の気持ちで取り組んでいました。

さてこの水宅配事業自体にも、同時進行で進めなければならない事が予想以上にありました。まずミネラルウォーターという製品がなければ、この水宅配ビジネスは成立しません。
当然な事ですが、お客様に配達する水製品がなければビジネスは始まらないのです。
その為にはプラント建設が何よりも最優先になってきます。
ところがプラント建設をしてもエリア代理店がなければ、この水宅配ビジネスは成立しません。当然の事ですが、水製品が出来てもお客様がいなければビジネスは始まらないのです。
その為にはエリア代理店の募集も最優先になってきます。
更にサーバーがなければ、このビジネスはできません。この水宅配ビジネスは、日本市場ではベンチャービジネスのジャンルに入る為、当時は日本製のサーバーがありません。

エリア代理店募集を優先すべきか、プラント建設を優先すべきかとなるのですが、この答えはそれらを同時に進めなければいけないという事です。このように言葉で言うのは簡単ですが、現実には非常に難しい問題があります。顧客が出来るかどうかがわからないのに製品を作っているようなものです。しかも億単位の投資です。ならば、まずは顧客を作ってからとなりますが、顧客を作るにはどうしても水製品が必要な訳です。

あれこれ悩んでいても前に進めません。よって同時進行でのあれこれのエネルギーを集中的に費やす訳です。何よりも決断です。それもコストに絡む決断です。

まずは首都圏で生産拠点を持つ事にしました。潤沢な予算がある訳ではなく、極力自前の施設を使う事になりました。OSG川越工場の施設内にプラント建設を決断しました。
プラントを建設する場合、本来の標準基準としては600㎡が必要なのですが、予定している場所は残念ながらそこまでの広さはありませんでした。
私は昔から「段階的構築」という言葉をよく用います。限られた環境の中でまずはやって見て、段階的に大きくしていけば良いとして、最初から100点満点は望みません。
よく合格点を確保しなければ、なかなか第一歩を踏み出さない人がいますが、私の場合、その合格点を得るまでの時間の価値の方を重要視します。ある程度の条件が揃わなければやらないとか、ある基準の目処がつくまではスタートしないという人がいますが、私はその条件や目処がつくまでの時間の経過の方が重要だと思っているのです。
だから「段階的構築思考」で進める訳です。100点満点で60点が確保出来るのなら、前に進めるべきです。少々難があっても早く経験する事です。そして修正を重ねていけばいいのです。最重要点は「時間」です。私はあらゆるコストの中で「時間」こそが最大のコストパフォーマンスだと思っています。経験こそが財産になるのです。
いつかはこの川越拠点もスクラップする位に生産高が追いつかなくなる状況を作ればいい訳です。多少の狭さがありましたが川越プラントに対しては「GOサイン」を出しました。

川越拠点から東日本エリアをカバーする事にしました。当然の事ながら、関東周辺や東北エリアまでの水製品を輸送する場合、大きな赤字となります。しかしこの初期投資の壁を超えながら、ウォーターネットのお客様を増やしていく喜びもあるのです。
本来であれば本部としては少なくとも東日本エリアと西日本エリアの2ヶ所に最低限のプラントを建設すればいいのですが、限られた予算の為、それは厳しい選択でした。
でもそれに挑まなければなりません。
そこで私は予算の無い中で、西日本エリアをカバーする為に関西圏に逸早くプラントを建設する為に動きました。

追記
この「人生はプラス思考で歩きましょう!」での内容では私1人が取り組んでいるような文章表現になっていますが、当然の事ながら多くの社員さん達が関わってくれています。
今回の中国事業の参入も水宅配事業の参入も、私1人では当然出来ません。

何度も伝えていますが、この「人生はプラス思考で歩きましょう!」では特定の社員さんは登場しません。事業は1人で出来るものではなく、チームとしてまた組織として動くものです。OSGが今日ここまで来られたのも多くの社員さん達がチカラを発揮してくれた事は言うまでもありません。ここで登場させたいなと思う社員さんは何十人もいます。でも敢えて登場させないのは、私の知らないところでもっと頑張っている社員さんがいるにも関わらず登場しない場合、大変不公平な事になるからです。
この「人生はプラス思考で歩きましょう!」はあくまでも私自身の動きを書いていますが、その後ろには多くの社員さん達が直接的であれ間接的であれ、活躍してくれている事をお伝えしておきます。

(次回に続く)

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp