2000年から2005年当時、金鋭董事長が率いる天然社は隆盛を極め、約300を数える代理店が中国全土を網羅していました。しかし金鋭董事長が辞任すると、この約300の代理店はそれぞれの道を歩むようになります。縮小し消滅した代理店もあれば、更に成長を遂げた代理店もあります。成長を果たした代表格が「2人の岩董事長」です。
一人は以前に紹介した山東省済南市に本社を持つ劉岩です。もう一人は広東省シンセン市に本社を持つ越健集団の金岩です。名前は「岩」ですが女性の董事長です。
天然系列に関係なく、中国の健康食品販売業界の中でこの2社は大変有名な企業です。
それ程、当時の天然社は優秀な代理店を持っていた訳です。
この2社を中国的表現で表すと「龍虎の関係」です。
山東省と広東省では中国の地理上、北と南に分かれている為、本来であれば市場でバッティングする筈のない関係です。
ところが天然社の広東省広州代理店が経営不振に陥り、同僚の山東省済南の劉董事長に事業譲渡した事により、本来交えなかった「2人の岩」が市場でぶつかる訳です。勿論これは天然社に金鋭董事長が在籍していたならば、このようなミスマッチは起こりません。
この2社の源流は、言うまでもなく天然社代理店であり、金鋭董事長の下で仕事をし、それぞれの地域のエリアを任された訳です。この2社の社員教育の原型はいずれもOSGの社員教育からスタートし、両社共トップは社員教育に熱心です。
山東省の劉岩董事長も広東省の金岩董事長も、アルカリイオン整水器の役割を熟知。単なる整水器本体の販売に留まらず、整水器本体販売後に発生する定期的なカートリッジ交換を行いながら二次販売につなげる事も2人の岩董事長は理解していました。
ところが前回もお話ししましたように山東省の劉岩董事長は途中から欧愛水基との取引を中止。代わって中国産アルカリイオン整水器を取り扱うようになり、また自社ブランドのOEM健康食品に力を入れて販売するようになりました。
片や広東省の金岩董事長は日本製の欧愛水基のアルカリイオン整水器を販売。カートリッジ交換の機会を利用して中国の健康食品を販売していました。
山東省の劉岩董事長はメーカーの道を選択するのに対し、広東省の金岩董事長は「販売会社」に徹しています。
ちなみに広東省の金岩董事長が率いるシンセン越健集団は、あらゆる健康食品で中国ナンバーワンの実績を誇る企業です。健康食品販売の最優秀企業として表彰受賞の際、「我社の勝因はアルカリイオン整水器を販売している事だ」とカートリッジ交換の重要性を発表しています。アルカリイオン整水器販売を通して、1軒1軒の地味なメンテナンスや定期的なカートリッジ交換の機会に健康食品を販売している事が健康食品販売ナンバーワンの実績を作り出しました。これは03年にOSGと出会った時に教えた日本のビジネスモデルを忠実に守っているのです。
そのような意味では広東省の金岩董事長の経営の柱は「まずアルカリイオン整水器ありき」であり、山東省の劉岩董事長は「まず自社製品の拡大ありき」でした。
要は、これらの経営方針のどちらが正しいか間違っているかは大きな問題ではなく、両社はその後、大きく成長していきます。
その2社が広州市場で激突し、「2人の岩」の龍虎の戦いが始まります。
かつて欧愛水基は山東省の劉岩董事長と手を組み、天然社に代わって新たな販路構築を視野に入れていた訳ですが、その道を断念。それはこの「2人の岩」董事長の立場にその原因があった訳です。
(次回に続く)
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