この「人プラ」(略、人生はプラス思考で歩きましょう!)で何度も繰り返し登場する言葉があります。
●2002年2月1日に宣言
●第5次4カ年計画
●事業領域の拡大とグローバル化
それ程、この「第5次4カ年計画」は重要で、その後のOSGの行動指針を変えるきっかけとなりました。現在のOSGの経営を司る全ての行動は、この「第5次4カ年計画」から始まっていると言っても過言ではありません。
この「事業領域の拡大とグローバル化」という2大テーマの1つ、グローバル化の代表格が中国ビジネスで、事業領域拡大の代表格が水宅配事業です。
しかし、事業領域の拡大として取り組んだのは水宅配事業だけではありません。水宅配事業と同じく事業領域拡大を担った「水自販機」と「プレッシャーウォーター」の誕生について少し紹介したいと思います。
私は時々、自身の思考回路がどうなっているのか、我ながら疑う時があります。
例えば、危機に直面し全身全霊で取り組まなければとても乗り切る事が出来そうにない渦中にありながら、他の事にも興味を持ってしまうという事を過去に何度となく経験しています。本来は、他の事など考える余裕はないと思いますが、私はそんな切羽詰まった状況下にあって尚、他の事にも目が向いてしまうのです。
事業領域の拡大として取り組む水宅配ビジネスとグローバル化を目指す中国ビジネスの七転八倒の状況は既に、この「人プラ」で皆さん方にお話ししている通りです。
水宅配ビジネスを軌道に乗せるだけでも大変なのに月の内半分は中国出張で、次から次へと問題が押し寄せてきます。問題は山積し、時には崩壊の危機に直面し、私の思考回路はパンク寸前という状況にまで追い詰められたりします。
こんな他の事を考える余裕がない状況下にあって、私は水自販機の開発に動いていました。会社に告げず、知られないように隠れて行なっていたという状況です。
「隠れて行なう」というと何か良からぬ事や内緒で副業するといった想像をするかもしれませんが、そうではありません。開発費用は全て自費負担。万が一失敗すれば私個人の損失であって、会社経営に一切影響させない。その為、内緒で「隠れて行なっていた」訳です。
私はある時、スーパーマーケットの前にある水自販機に目が留まりました。
「水の自販機か」
「これは事業領域の拡大の1つとして、この市場に入り込む余地はあるのではないか」
「これはどういう仕組みになっているのだろう」と興味が膨らみます。
よく見ると水自販機には「純水」と書いてあり、逆浸透膜でろ過されミネラル分も除去された「ピュア」な水という事がわかります。「純水」「ピュア」というと聞こえが良いですが、料理水としてはともかく、これを常飲する事を私はお勧め出来ません。
「アルカリイオン水の自販機は作れないか」という思考が頭を巡ります。
買い物客には不釣り合いなスーツ姿の男が店頭に設置された自販機前で、何もしないで立っている場面を想像してみて下さい。周囲から見れば不審者以外の何者でもないでしょう。
しかし、私の頭の中では「OSGはアルカリイオン水自販機をやるべきだ」という思考が溢れているのです。
寝ても覚めても、中国ビジネスや水宅配ビジネスの解決策を思考する日々を過ごしながらも昼食で立ち寄った駅中の立ち食いそば店で冷水器を目すると自然に「どれだけのマーケットがあるのだろう」と考えてしまう、そんな有様です。
こうして「アルカリイオン水自販機」の開発は始まりました。
「今、水自販機の開発をしているので、後は頼む」
開発の目途が立った時点で初めて会社に知らせました。
プレッシャーウォーターの場合もそうです。
相変わらず問題を抱える中、私は空港でプレッシャーウォーターを目にしました。勿論、初めて見た訳ではありません。今までは関心を持って見ていなかっただけです。皆さんも恐らく空港などで見た事があると思います。
駅のホームや空港等の施設に置いてある給水機です。飲みもしないのに給水機の前に立ち止まって見てしまいます。スーパーマーケットで自販機と出会った時と同じ状況です。
「これは欲しい」「これをやりたい!」「これをやるにはどうすればいいのか」「これこそが事業領域の拡大に相応しい商品だ」と思考は膨らみます。
本来、経営者としては当然の事だと思います。
ただ、これらを作り得る為に自ら動くか、誰かに指示するかの違いがあります。
私の場合、自ら動いてしまうのです。その理由は明確です。もし私が気まぐれに指示して、会社に大きな損害を与えたならば、それは大変な事態になります。万が一のリスクを最小限にする為に自費で開発し、また自ら交渉し、確実な果実になるまでは公にしません。
この時も中国ビジネスと水宅配ビジネスの問題で私の頭の中はいっぱいいっぱいでした。
こうしてプレッシャーウォーターも誕生しました。
(次回に続く)
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