代表取締役 湯川 剛

会社を設立して6年が経った1976年4月25日は、私にとって忘れられない日の1日です。
浄水器がまだ一般に認知されていなかった時期だった事もあり、「水に親しむ」「水が恋しい」そんな暑い夏ですら売上確保は厳しいものがありました。ましてや冬季の売上確保といえば、夏以上に努力をしても、なかなか成果に結びつかない程、苦戦を強いられました。
この日も夜遅く、誰もいないオフィスで1人何気なく成績グラフを見ていました。成果を記すグラフを見ながら社員のみんなが頑張っている姿と、それに応える事の出来ないもどかしさにいつしか涙が出てきました。こんな事をいつまでも続けていけるものだろうか。本当に浄水器は皆に認知されるのだろうか。努力の先に夢や希望があるのだろうか。弱気な自分が全てを支配しているような気持ちになりました。
帰宅後もその事で頭がいっぱいになり、明日からこの弱気な自分をどうしたらいいものか、社員さん達にもどう接したらいいのか、一晩中考えました。考えれば考えるほど、将来性や市場性・収益性など、1つの製品や企業の行方を分析するのに重要な項目がどれ1つ「優」でないという結論に辿り着きます。資金繰りに走り、売上を作り上げ、社員教育を行なっていく事の全てに、自信を喪失しかけていたのでしょう。

どれぐらいの時間、考えたかは定かではありませんが、恐らく真夜中まで悶々としていたのではないかと思います。決してそのような状況の中でプラス思考が目覚めた訳でも、強気な自分が弱気な自分を打ちのめして出てきた訳でもないのですが、考えて考えて考え抜いた結果で得たものは、「鬼になって更に仕事を進めていく」という事でした。その日の日記にはっきりと「更に仕事の鬼になる」と記してあります。私は翌日全社員を集めて、その決意を発表しました。良い成果を出し、それに報いることが今の自分に与えられた役割である、と社員さんに檄を飛ばしました。その年の7月に当時の人数では不可能と思われた浄水器の月間販売数1000台を突破したのです。(1020台販売)

(次回に続く)

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