2012年までの私は、日本に帰れば水宅配事業ウォーターネット(WN)の立ち上げから軌道に乗せ、中国を訪問すれば欧愛水基を如何に軌道に乗せるかに躍起になっていました。
初めての経験ばかりなので失敗が教訓となり、その教訓がマニュアル化するのですがいずれも手強い問題でどちらもスムーズに運ばず、両方が襲い掛かってくる事態はありました。
そのような意味では「内憂外患」または「前門の虎後門の狼」の立場だったかもしれません。
このように書くと落ち込む状況と思われますが、本人は結構この状態を楽しんでいました。
誰も困難や障害を好む人はいません。勿論、私もです。ただ悲観的にはならないのです。
むしろ「これを乗り切った時はすごいだろうな」と頭の隅でいつも思っています。決して余裕がある訳ではないのですが、どこかで客観的に冷めて見ているもう一人の自分がいます。
いずれにしてもこの当時、水宅配事業と中国事業の二本立てで新規事業をゼロからの立ち上げに奮闘していました。何度もこの「人プラ」
未来ビジネスとは、2002年2月1日に宣言した事業領域の拡大とグローバル化。
事業領域の拡大としての代表としての水宅配事業。グローバル化の具体化が中国進出という事です。前回までは中国のお話しで「尖閣諸島問題での反日運動が広がり、その影響で私が可愛がっていた若き経営者が私と決別する」内容でした。
今回は久しぶりに水宅配事業についてお話しします。というのも2012年にWNは大きな変化がありました。
11月5日のWN役員会で増資の提案が議題として上がりました。その流れで次のような発言をしました。
『ご存知のように業界トップを走る同業者は元々、アクアC社の加盟店で、本部が倒産した事で資金を投下し、ブランドを引き継いだ。いわば自ら立ち上げて構築したブランドではない。しかし私達は違う。ゼロから「WN」のブランドや組織を立ち上げ、何もかも自分達の手で作り上げてきた。オーナー会もゼロからスタートした。そのオーナー会も最初は手探りの状況であったが、皆さんのチカラで少しずつ形が整えられるようになった。また「W-1」(ダブルワン)という販売促進キャンペーンも立案し、10日後の11月15日には「W-1」の優秀加盟店様をハワイに行って貰うところまでに辿り着いた。全て手作りです。
WNは「純」で立ち上げました。
いわば、雪だるまで言うところの「芯」が出来たという事です。あとは転がして大きくしていくだけです。今回の増資もその流れの一環です』
WNのパートナー企業であるJF社から出向された副社長も増資には賛成してくれました。「内憂外患」または「前門の虎後門の狼」の状態は変わりませんが、少しずつ変化が見えてきた訳です。
WN役員会開催から10日後の現地時間11月15日に優秀加盟店様が集う、第1回目の「W-1」ハワイ優秀加盟店懇親会がホノルル・シェラトンワイキキホテルで開催。
この時のパーティーを見ながら、「私のWN立ち上げの役割は終わった。これからのWNのリーダーは、私以外の若いリーダーに任せる事だ」と思いました。心の中で一旦そのような思いが芽生えると、一気にその方向に進めるのが私の性格です。一切の躊躇はありません。
「W-1」ハワイ優秀加盟店懇親会の様子を見ながら、私は社長辞任を決めました。
そういえば、創立25周年をハワイで行なった49歳の時に、「OSG社長を60歳で辞任する」と決めたのもハワイでした。(第162回)
(次回に続く)
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