代表取締役 湯川 剛

久しぶりに中国ビジネスについてお話ししたいと思います。
2013年11月の始め頃に長喜の孫さんから私に電話がありました。「是非紹介したい人がいるので、中国に来たら連絡して欲しい」との事で、詳しい説明はありませんでした。

長喜の孫さんとは私が03年中国進出時にある人の紹介で出会い、それ以降長く付き合っている人物の一人です。名前は孫 喜進と言いますが「孫」という名の中国人は10人くらい知っていますので、彼が経営している会社名をつけて「長喜の孫さん」と呼んでいます。
彼は65年生まれで、私と出会った時は私が56歳で彼は38歳でした。日本への留学経験があり、大変流暢に日本語を話します。人懐っこい性格と実直な仕事の仕方をする事もあって、有名な日本企業が彼を頼りに中国進出しているのは多数あります。
彼が経営している長喜はデベロッパーとして手広く経営していますが、元々は上海に居住する日本人向けのアパート等で、日本人の生活を補佐するような便利業を行なっていたと聞いています。例えば、電球が切れた時等、すぐさま対応してくれるわけです。そんな規模から今日の会社まで作り上げた経営者・孫 喜進氏は大した男です。当初、出会った30代の彼の雰囲気はそのまま50代になっても維持しているのはすごい事です。
中国人には珍しくクリスチャンで「仕事が趣味」を公言する仕事人間です。だから私も仕事には直接関係なくとも、中国に行けば連絡を取り合います。

その長喜の孫さんから2013年11月の始め頃に「湯川会長、是非私と会って下さい」と連絡が来ました。「是非紹介したい人がいる」との事でした。

11月23日、私は上海駅前にある長喜の本社で孫さんと会いました
そこで初めて漢寛平董事長(仮名/52歳)を紹介して貰いました。2人の弁護士が同席していました。彼の話によると米国家電メーカーのセールスマンから32歳で独立。
現在の家電量販店を1993年設立。わずか17年後の2010年には香港市場に上場。
年商400億円。エリアは江蘇省・浙江省・安徽省に直営40店、フランチャイズ店80店との事です。正にチャイニーズドリームを物語る、大変勢いのある経歴の持ち主です。
彼らの話を聞くと私など何をしていたのだろうと反省するばかりです。中国の勢いそのものがこのようなサクセスストーリーをあちらこちらで誕生させています。

漢寛平氏の話によると8人兄弟の末っ子で生まれ、家は貧しく両親を早くに亡くしたとの事です。両親に現在の成功が見せられなくて残念だとの話に彼の人柄を感じます。
彼の年齢から考えると経済開放前の当時の中国での生活水準は一般的に低く、大変厳しかったと思います。そんな中での立身出世を絵に描いた人物です。彼は、私が知る他の中国人経営者に有りがちなギラギラしたところがなく、誠実で穏やかな雰囲気を醸し出す経営者でした。この人柄が短期間に会社をここまで大きくさせるのだなと思いました。

孫さんは「水ビジネスに関心がある」そして「社員教育にも大いに関心があり、特に日本の社員教育に興味を持っている」漢寛平董事長を是非、私に紹介したいと思ったようです。
漢寛平董事長は「アルカリイオン整水器よりも、家庭用浄水器を中心に販売したい」といい、特にOSG独自のメンテナンス業務に興味を示しました。
問題点は中国には何千という浄水器メーカーがある中で、なかなか日本の浄水器では販売しづらいのではないかという事で、中国式の「日本浄水器」を提案しました。しかも単に店頭に陳列しても何千というメーカーがある中で販売するのは難しいので、特別販売組織を導入してはどうかと提案しました。この事にも漢寛平董事長は同意しました。
いずれにしても是非とも日本OSGと取引がしたいとの事で、この日は年内に漢寛平董事長の会社を訪問する約束をし、別れました。

(次回に続く)

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