代表取締役 湯川 剛

今回は久しぶりに中国ビジネスについてお話しします。
2015年2月の話です。中国では旧正月にあたりますが、旧正月を目前に中国から飛んでもない情報が私に入ってきました。

それは、中国現地法人 欧愛水基の代理店で比較的優良企業と言われていた某代理店の経営者が逮捕されたとの事で、まさに寝耳に水とはこの事です。「逮捕された」という内容だけで逮捕に至った理由などの情報は一切ありません。そこで「中国に飛ぶ」と伝えたところ「気持ちはうれしいが日本からわざわざ来て貰っても、会社自体が混乱しているので詳細を伝える事が出来ない」という事でした。他のエリア代理店に情報収集を試みましたが、「まさか、あの董事長が逮捕されたとは・・・」と驚くばかりです。それ程、他の経営者からも慕われ人望もありました。そのような人物なので私自身も親しく付き合っていました。それだけにただ驚くだけではなく、その真意を知りたいと思い、「中国に飛ぶ」と伝えた訳です。
それから間もなく1週間程して「経営者だけでなく幹部数名も逮捕された」との新しい情報も入りました。私は、これでこの事件は経営者個人の問題ではなく会社の案件だと認識しました。それにしても真意が分からないままでした。

更に半月程経った頃、中国から情報が入り、少しずつですが逮捕の理由が分かって来ました。
要約すると、顧客に対し健康食品等の1年分相当を一括で販売していた疑いとの事です。
中国では急速な経済発展と共に新しいビジネスが次々生まれます。その中には「健康食品」分野も著しく成長しています。高度成長を迎え個人生活が豊かになるにつれて、自らの健康に関心を持つのは当然の流れです。このような社会背景は日本でも体験しています。ましてや行動力のある中国人にあっては、その勢いは日本の比ではありません。
中国市場では健康食品を含め、健康産業があふれています。わずか40年前、経済開放前は1つの饅頭を取り合う程の社会背景でした。しかし急激な経済成長の発展から個人生活は一変。人間はお腹が満腹になれば、次は文化や自らの健康に関心を持つものです。逆に言えば空腹においては文化も健康的な生活も順位は後回しです。

話を健康食品に戻します。
日本をはじめ欧米からの健康食品の輸入もさることながら、それに加えて中国では漢方薬文化があります。そのような意味でお国柄、漢方薬を含む健康食品は他に類を見ません。
鹿やヘビなどの動物を原材料にした類のものもありますし、時には私自身が理解しにくいような健康食品も多々あります。

以前にもお伝えしましたが、欧愛水基の代理店は元々、香港の上場会社である天然社の代理店です。この天然社本社のお家騒動から各代理店が自主路線を歩みだす話は既に、2006年頃の出来事としてこの「人プラ」で多く掲載しました。それぞれの代理店が例外なく、今回問題になっている健康食品を取り扱っています。各代理店は、販売後に何かとメンテナンスが必要となる欧愛水基の「アルカリイオン整水器」を扱うよりも、手離れの良い健康食品にシフトしていました。
欧愛水基の大手代理店では「メンテナンスこそ会社の財産だ」と認識していますが、中小代理店は「わずらわしいメンテナンス」より「手離れの良い健康食品」を取り扱う方が利益を得られると、こぞって「健康食品」に力を入れていたのです。そんな中での今回の事件です。

実は今回の事件が明るみに出る数年前より、私は各代理店に「皆さん方が顧客に健康食品を大量に売りつけるような販売方法は必ず問題が起こるので止めた方がいい。前例として日本でもそのような販売方法を行なって社会的に問題となっている」と忠告していましたが、耳を貸すどころかむしろ「私ところの社員は、先日2年分を一括に販売した実績を持っている凄い社員がいる」と競い合うように自慢話をする有様です。

まさに健康食品ショックの「予感が的中」した訳です。

それにしても欧愛水基の殆どの代理店がこのような「健康食品を顧客に1年分一括販売」をしている事により、遅かれ早かれ他代理店にも火の粉は飛び、それは欧愛水基の「アルカリイオン整水器の販売」にも影響が及ぶと思いました。

 

【後記】
2021年も早々に「緊急事態宣言」が昨年4月に次いで発令されました。
今回は東京はじめとする首都圏など11都府県が対象で2月7日までの期間です
。 1月31日現在での情報では、延長されるとの憶測もあります。それ程、感染者数が減っていないという厳しい現実です。

さて今年も50年以上続いた「お年玉配り」を実施。創業当初は月間1000人に配るという事はさすがに出来ませんでしたが、1000人配布は40年以上続いていると思います。
今年は「1000人分」が早々に無くなり「500人分」を追加しました。
2年前から始まった食パン専門店「水にこだわる高級食パン・銀座に志かわ」に関わっていますので配布先が増えるのは当然の事です。
「もう40枚以上集まった」と言って頂ける方もいて、大変うれしく思います。
今年も、初めてで戸惑われていたり、また素直に喜んで頂ける人もいましたが、私自身は「今年も出来てよかった」と1月31日を終えて「続ける事の良さ」を感じました。

昨年お渡ししている方の内、コロナ禍故に会う事が叶わず、残念ながらお渡しで来ていない方が50名程おられます。その方々の分はしっかり保管しています。季節外れになるかもわかりませんが、早く「お年玉」をお渡し出来るよう、新型コロナが収束する事を祈ります。

(次回に続く)

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