代表取締役 湯川 剛

かつて欧愛水基の代理店は販売の中心としてアルカリイオン整水器を取り扱っていましたが、いつしかメンテナンスが不要な健康食品へ主販売として力をシフトしていきました。この販売転換は欧愛水基にとって痛手です。勿論全ての代理店がそのような対応だった訳ではありません。アルカリイオン整水器を従来通り取り扱っている代理店は、むしろ年々大きく成長し、私達が指導した通り「メンテナンス業務を通じて二次的販売を行なう」という考えに共鳴してくれました。そういう代理店にとって今回の「100日間業務停止」はまさに「とばっちりを受けた」感じですが、これまで通りアルカリイオン整水器を販売の中心に置いているので企業活動が止まる事はありません。
一方、健康食品中心の代理店は完全に会社が閉鎖した状態でした。
私達がショックを受けたのは、度々この「人プラ」にも登場し、かつての天然社の最優秀代理店で親しくしていた董事長が経営する某代理店の事。改めて調べてみると、ここ数年、アルカリイオン整水器の取引が減少している事が分かりました。「まさかあの代理店に限って」という思いがありましたが、紛れもなく健康食品を中心とした販売に切り替えていました。整水器販売後のメンテナンス業務をわずらわしく思った為か、手っ取り早い健康食品販売に乗り換えたのでしょう。

逮捕劇から約1カ月が経った1月28日。新しい情報が入って来ました。
「董事長が逮捕された」というのが第一報でしたが、後になってそれは誤報だと分かり、正しくは「総経理が逮捕された」という事でした。その総経理は数年前に董事長が他社からヘッドハンティングした人材で、私は面識がありません。聞けば、新総経理の考えで「アルカリイオン整水器から健康食品に切り替える」事になったようで、方向転換するなりの事情があった事も分かりました。健康食品の過剰在庫を抱えた年末、それを減らす為に策をめぐらせたようです。顧客に「支払いは後日でいい」と1年分相当を売掛で販売。「代金は後日に支払う」と顧客に一筆書かせ、これだけなら特に問題視される話ではないのですが、支払期限を決めず未定で販売しておきながら、その後、社員が代金返済の電話をしつこくかけていたとの事です。しかもターゲットとされた顧客は殆どがお年寄りで、このような状況が社会的問題へと拍車を掛けました。

捜査を進める警察においては企業・顧客間の単なる揉め事という見解ではなく、「詐欺罪」しかも「会社ぐるみの詐欺」を疑われ数日間、董事長も取り調べられたらしいです。日本でも社会問題になっている高齢者を標的にしたオレオレ詐欺や催眠商法等のような悪事が、中国共産党の一党支配においても存在するのだなと、私は驚きました。核家族化や高齢化は中国でも大きな社会的問題となっており、今回の事件はその一端です。

さて、話を「100日間の業務停止」に戻します。 今回の事件で代理店は大きく3つに分かれました。 完全に業務停止に陥り、顧客からの返金要求に耐えられず、また社員さん達が離散し廃業・倒産への道を辿る代理店。 また少し余裕のある代理店は、この機会に原点回帰とばかりにアルカリイオン整水器への再取組みを模索。しかしここにも問題がありました。アルカリイオン整水器の取扱いから離れ、ブランクのある代理店では即戦力が期待できない為、欧愛水基へ仕組み再構築への支援要請がありました。 そして従来通りアルカリイオン整水器の販売を継続していた代理店は、廃業・倒産した代理店の顧客をも獲得し「100日間業務停止」を機に更に拡大しました。 その代表が、この「人プラ」にもよく登場する天然社の3大代理店の内、広東省・シンセンと山東省・済南の代理店です。さて、問題は残りの1社が今回の事件の渦中の代理店なのです。

(次回に続く)

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