代表取締役 湯川 剛

2016年冬合宿から「第9次4ヶ年計画」がスタートしました。
以前に掲載しましたが、4年後の2020年の創立50周年という大きな節目を迎える最後の中長期計画には、多くの課題がありました。

「創立50周年記念式典」の計画はおおよそ下記の通りでした。
従来の周年記念式典は、全て大阪で開催していましたが、創立50周年記念式典は初めて東京での開催で、参加者も過去最大の2500名規模を予定していました。
2020年はオリンピックイヤーです。先の東京五輪が開催された1964年当時、私は高校生でした。56年ぶりの東京オリ・パラ開催と創立50周年が奇しくも重なりました。当然の事ながら海外の参加者も多数招待し、ASEANへの市場参入へとつなげる計画でした。

その為にも「第9次4ヶ年計画」の4年間は非常に重要な意味を持ちます。
世界市場、特にASEAN市場への参入は重要な意味がありました。
それは創立40周年記念式典のテーマでもあった「中国からアジア、そして世界へ」への「続き」でもある訳です。その為にも「中国市場」を確実なモノに仕上げなければなりません。
欧米等、海外から訪ねてくるお客様は、今までは大阪本社や東京本部での面談を行なった後、川越工場を見学するのが通常の流れでした。特に「ASEAN市場」に向けて私は、これからは「上海」で商談する為にも「上海水科学館」は必要だと思いました。
元々の「上海水科学館」構想は中国国内での代理店対応でした。その「上海水科学館」発想を「世界向け」へバージョンアップしなければならない訳です。
前回も掲載していましたが「中国代理店の健康食品ショック」➡「代理店の再教育」➡「中国全土に広がる代理店への教育には無理がある」➡「基地旅行制度の活用」➡「中国全土に広がる代理店が上海にきて教育する」➡「水科学館設立」との流れでしたが、単に中国代理店向けの水科学館ではなく、世界中から見学して貰える「展示場」を設立しようという事になりました。

3月4日、上海在住の日本人設計士とOSG大阪本社で第1回目の打ち合わせを行ないました。長喜工業団地の1棟1階の広さ1000㎡を展示場に、そしてその2階を工場とする事が決定されました。これによってかねてより懸案事項であった「基地旅行」に関して、中国全土の各代理店が上海を来訪した際、水科学館や工場見学が可能となりました。
工場敷地内に入場させられないという問題もなく、バスは工場に横付け出来ます。そして大家さんである長喜の孫工場長が目指す「工員のいない工場団地」が形となる訳です。

事務所は別棟の1階に構える事にしました。しかし事務所は1000㎡も要りません。
そこで孫董事長から「残りの広さでプロレス道場を作ればどうでしょうか」と提案がありました。しかもそれが可能なら、2階の全フロアをプロレス練習生の寮として無償で使ってもらっても良いという提案でした。プロレス好きな大家さんでないと、この提案はありません。
そこで日本のIGFに相談をした結果、私達の事務所の裏側に中国初の日本のプロレス道場が開設される事となりました。

さて、話を「水の科学館」に戻します。
私達が設立する「展示場」は、従来にない発想で考える事になりました。
中国ではこのような「展示場」の場合「●●水の科学館」と命名するのが常ですが、私は欧愛水基社内でこの「展示場」の名称に対しアイディア募集する事にしました。

 

【追記】
2008年8月8日8時8分。北京オリンピックが開催されました。
北京オリンピック閉会後、アントニオ猪木氏が「共産主義の中国でも格闘技やプロレスは間違いなく定着する」という彼独特の感性のひらめきによって、猪木氏のプロレス団体「IGF」関係者が中国進出に向けて動き出し、既に03年から中国に進出している私にも協力の依頼がありました。その後、中国国家体育局とのつながりで不可能と言われた上海でのIGFプロレスを開催。中国テレビ局の招待で猪木氏が少林寺を見学に訪れ、また遂にはIGF所属の中国人プロレスラー誕生という実績も築きました。それらのニュースはスポーツ紙やプロレス雑誌等で大々的に取り上げられました。

そして遂に念願のIGF中国道場設立です。
IGFが中国初、日本プロレス団体初の中国道場が設立されるところまできました。
この間、8年ほどの歳月が投入されました。また長喜の孫董事長のように選手寮の無償提供などスポンサーも現れ、中国ネットテレビやマカオテレビ局でIGFプロレス番組が放映されました。アントニオ猪木氏の過去の実績から考えれば「中国プロレスの父」と称されるに相応しいと、IGF役員らは張り切っていました。

ところが、欧愛水基の事務所裏に「IGF道場」が出来た事によって、後々に当時のIGF役員と猪木氏との間に隙間風が吹く事になるとは努々思ってもいませんでした。

この事はいずれ掲載したいと思います。

(次回に続く)

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