代表取締役 湯川 剛

3月19日に広州でCM撮影していた時、CM制作会社のサヤ氏から「湯川さんの行動を密着取材出来ますか。日本人の経営者について取材をし、中国人に見せたい」との申し出がありました。日本であれば断るのですが、中国であれば構わないという事で決まりました。少しでも「OSG」のロゴマークを広大な中国で広めたい気持ちです。IGFとマカオテレビへの仲介やIGFの中国進出もそれが「OSG」の知名度が上がるのであれば少しでも協力してもいいとの判断でした。よって今回の申し出もその一環です。

主な撮影は下記のスケジュールです。日本の新入社員の入社式等の撮影は、是非撮りたいとの事で、3月31日から1週間の密着取材が始まりました。
4月1日に役員会があり、日本の役員会の雰囲気を撮りたいとの事でした。
また私がボランティア活動をしている関係からアジア協会への取材等もありました。
2日には私が毎月月初めに両親のお墓参りをするので、その撮影もしたいとの事でした。
「日本人の経営者はこのように祖先に対して毎月参るのか」との質問でした。
この日は第1土曜日でしたので、全国拠点長会議の撮影や同日にあった入社式にもカメラが入りました。中国人の彼にしてみればやはり珍しい日本の会議であり、入社式です。
4月3日には毎月参拝する信貴山への撮影です。この時も「日本人の経営者はこのように神社仏閣を参拝するのか」との質問でした。
共産主義は基本的には宗教は受け入れません。勿論、現在の中国では大きな集会をやらない限り宗教を信仰している人もいます。私の知っている中国人経営者でもお寺参りはします。少し話は逸れますが以前、中国では「法輪功」という気功集団が中国で大きな問題になりました。
「法輪功」とは、1992年から普及活動が開始され、短期間で拡大されたとのことです。1999年頃より弾圧を受けるようになりました。1999年ごろの信者(法輪功では「学習者」と呼んでいる)の数は7000万人を超えたとされ、共産党や人民解放軍でも学習者が急増し、彼らは創始者を心から尊敬していた事が中国共産党にとって大きな脅威に感じたといわれている。よって私が毎月礼拝に行くのは彼らから見れば「宗教の自由」でもあり、日本の経営者の一部の姿だと映ったのでしょう。

私は毎月月初めにお墓参りと信貴山への参拝をします。信貴山の帰りに私の姉が入所しているグループホームに毎月顔を出します。この撮影もしたいとの事でしたが最初は断りました。同じ入所者の方もいるのでご迷惑が掛かるとの事でしたが、正直な気持ち、認知症の姉の姿を例え中国人にであっても見せたくないというのが本音でした。
しかしサヤ氏は「これも湯川会長の事実の姿なのでどうしても撮らせてほしい」と強く言われました。そこで許可を取るため、グループホームの責任者の方に伝えると、他の入所者が一切映らない事なら撮影はOKとの事でした。でも私は迷っていました。認知症の姉の姿を公に見せること迷っていました。サヤ氏が「こんな時しかお姉さんとの場面は一生涯撮れないと思います」の言葉に了解しました。
部屋のドアを開放して外から隠し撮りを条件に本人には気づかないように配慮をお願いしました。そしていつものように近くのコンビニで購入する姉が好きなホットコーヒーと歯がないのでゼリーやプリンを持って部屋に入りました。いつもの光景です。 姉は無邪気に私の顔を見て喜んでいます。いつものように砂糖とミルクをたっぷりといれてコーヒーを飲みます。飲むと同時によだれのように口の端からこぼれたりします。これもいつものように私が彼女の口元をティッシュで拭くわけですが、その時は不思議と撮影中である事を忘れます。気にしていては服がもっと汚れる訳です。
そんないつもの流れの中で姉がふとドアの外を指さして、笑顔で「撮影しているの?きれいに撮って」と言って私を驚かせました。私はこぼれたコーヒーの後片付け等で精いっぱいでした。後で知った事ですがこの撮影場面は一瞬で映っていたと思いますが現在覚えていません。隠し撮影していたにも関わらず姉がカメラに向かって歯の抜けた笑顔とカメラマンに向けて手を振っていた事だけは今でも覚えています。

その日、東京に移動するのでそれも撮影したいと言われたのですが、外での撮影は恥ずかしいと伝えましたが遠くから撮影する事で了解しました。私は新幹線移動では必ず読書をします。これも最初は断りましたが、幸い最終便でしたので乗客数も殆どなく、そっと撮影をして貰いました。彼らがいた1週間のスケジュールの中で撮影用に予定を組んだ事もあります。その一つが4月5日の相撲部屋の風景です。私は平日に絶対に相撲部屋の朝稽古の見学はしません。しかし彼らの要求で平日火曜日早朝に撮影に入りました。その後、東京オリンピック施設にOSG製品が設置されているので、私がその施設を見学に行くという設定で撮影する事になりましたが、それは私にとってとてもよかった時間です。どのような場所にOSG製品が設置されていることが改めて知ったからです。東京オリンピックのすべての競技会場に設置していると聞いてはいましたが、実際、現場に行って改めて確認でき現場で頑張ってくれているOSGの社員さんに感謝しました。

サヤ氏は「中国での行動も撮影したい」との事で、帰国しました。

(次回に続く)

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