代表取締役 湯川 剛

まともに話せないから売れない。売れないから自信がない。自信がないから話せない。話せないから売れない。そんな悪循環の中で、当然の事ながら上司や先輩からは「そろそろ根を上げて辞めるだろう」がおおよその見方であったみたいです。
自信がないと自然と元気も明るさもなくなってくるものですが、朝の挨拶や言動は誰よりも明るく元気があり、職場の仲間の間では「なかなかガッツはあるのだが・・・」との評判も片方ではありました。なにせ「借金を返すのだ」と意気込んでいましたから・・・。しかしお客様の前に立つと自信がなく、結果はいつも悲惨なものでした。そんな私に3人の上司・先輩が勇気と影響を与えてくれました。

営業のイロハも知らない私に「営業とは何か」を教えてくれたのが、吉留達也さん・福原宏さん・小早川啓次郎さんの3人でした。ちなみにこの英会話教材販売の会社は外資系会社で、米国ジョージア州アトランタに本社がありました。よって上司は「部長」等と呼ばず、マネージャーと呼んでいました。吉留オフィスマネージャーは支社長に当たる役職で、当時の私の上司です。年齢はひと回り以上も上ですが現在もご健在で、東京で会社を経営されておられ時々連絡も取らせて貰っています。福原さんは私の先輩で残念ながら昨年亡くなられました。そして小早川さんは私と同年代で今、名古屋で会社を経営しておられます。

会計事務所を辞めて38年も経っていますが、今なお会計事務所の大先生とのお付き合いをさせて頂いていますが、どうも私は人間関係においてはしつこいタイプかもしれません(笑)。

しかし人生の途上で出会った人々に対して感謝する事は多く、「一期一会」で考えれば当然の事かもしれません。

小早川啓次郎さん。私が入社した時は、入社が1年早い小早川先輩の下で働きました。小早川先輩は幼い時に事故に遭われ、足が不自由でした。私が今日、私の中に「根性」というものがあるならば、この小早川先輩の影響なくして語ることは出来ないと思います。当時、子供向けの英会話教材もありましたので、個人宅訪問をする訳です。不自由な足を引きずって小早川先輩が歩く姿に「先輩が10軒訪問するなら、自分は100軒回らなきゃいけない」と心に誓ったものです。

小早川先輩はトップセールスマンでした。ある時、心ない同僚N君がいて「小早川さんが売れるのは、あの足のお陰だ」と言った事で、思わずN君に手を出してしまった事もあります。入社1ヶ月目で限界を感じていた私でしたが、小早川先輩の影響もあり、数ヶ月も経つとそれは甘えであり、自分に負けていた事に気がつきました。勿論、実績は相変わらず低迷をしていましたが、自分を奮い立たせてくれる先輩に負けてはならぬと、「売る」事に全神経を使いました。

この後、思いもかけない「セールスの開眼」をスーパーイズミヤの杉浦さんから学ぶのでした。

人間必死になれば、運命の出会いを神様は作ってくれるのだと思います。
私が独立する1年前の事です。

(次回に続く)

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