代表取締役 湯川 剛

17年8月7日。この日は猪木サイドからの要請で、2回目の臨時株主総会の日です。
私はさすがに、うとうとはするものの熟睡する事は出来ないまま朝を迎え、5時すぎに起床し臨時株主総会に臨むべく身支度を整えま、7時過ぎには株主総会の会場にいました。第1回目の臨時株主総会で「僅かなミスを見逃さない」とアドバイス頂いた新丸の内先生からの紹介で第2回目の臨時株主総会では大手前弁護士先生(仮名)に依頼しました。
大手前先生も7時30分には会場入りされ、その後、9時に裁判所から派遣された今回の株主総会の検査役の弁護士3名が到着しました。
これで今回の株主総会は第三者も入った厳正な株主総会になりました。
株主総会会場の外では、猪木サイドの支持者の方々が20名近く集まっていました。
この光景を見た時、正直私はゾッとしました。猪木サイドが勝利を確信した時に雪崩打って会場に入ってくるのかなと想像したのです。前回の株主総会から今回の株主総会の間の50日間に、猪木チームは十二分な対策を練ったと思います。
そんな中、猪木チームの1人が既に「IGF 取締役」の名刺を持って営業しているとの情報を耳にしました。たぶん「現IGF役員は解雇」となり、猪木チームのメンバーが「IGF新任役員」就任になると見越しての行動でしょう。それを知った時、苦笑しました。

さて、2回目の臨時株主総会の結果は、どうなったのでしょう。
今回も、詳細な経緯を説明する事はここでは控えますが、結果だけお知らせします。

結果的に今回の「臨時株主総会」もIGF側に勝利の神様が微笑みました。
原因はズバリ、猪木チーム側の手抜かりに他ならないという事です。
その結果IGF役員は解任される事はなく、また猪木チームの役員就任は実現しませんでした。ただ1か月以内に猪木チームが、ある行動をすれば完全にIGF側の敗訴だったのですが、猪木チーム側の株主が一切微動だにせず、これには驚きました。
誰も猪木チームに協力をしない事が、これで明白になりました。

その後、この問題はどのようになったのでしょう。
この案件に対しては双方の「和解」が進み、猪木氏本人を含め猪木サイドを支持していた株主の株式もIGF側が受け入れました。これにて、猪木チームの役員就任の芽は完全に摘まれました。

しかしこれで「猪木チーム」との対決が終わった訳ではありません。
今回の問題をきっかけに、第三者の弁護士及び公認会計士の調査の結果、むしろ相手側に不正な資金使用や私的流用があったのではないかと、逆にIGFサイドが原告となって猪木サイドを告訴しました。合わせて私個人も告訴しました。勿論、猪木サイド側の言い分もあるでしょう。こうして第2ラウンドのゴングが鳴りました。

私にとって2017年前半は、この問題を抜きにして語る事は出来ません。
今回の問題で学んだ事は、絶対に諦めてはいけないという事です。
また「僅かなミス」が命取りになる事も学びました。
もし、圧倒的株主数により「これは勝ち目がない」と諦めていたならば、現在の状況にはなっていなかったでしょう。
更に、圧倒的株主がいた事で、猪木チームは油断をしたのかもしれません。
結果も出ていないのに「IGF取締役」の名刺を配っていた考えらえない行動をしている猪木チームの質にも大きな問題があります。そんなメンバーが稀代スーパースターアントニオ猪木の周りにいる事にやきもきする「もう1人の私」がいます。

【追記】
2022年.さて、あれから5年が過ぎました。結果はどうなったのでしょうか。
私の告訴は勝訴にて決着が付きました。
またIGFサイドは現在訴訟中でありながら、猪木氏との「和解」に向けて双方の弁護士が動いています。

現在、入院中の猪木さんから週に1度のペースで、電話があります。 また猪木さんの弟さんから「兄貴が寂しがっているので、湯川さん、時々電話をしてあげて下さい」と言われ、私からも電話します。 先日は猪木さんから「久しぶりに食事でもしましょう」とのお誘いがあったので、指定されたホテルを訪ねました。車いすで現れた猪木さんは紅茶を注文し、私達だけが食事をする訳にも行かないので、ビールとナッツを頂きました。 最近、ネットニュース等では非常に痩せた猪木さんの顔が掲載されますが、その時は多少痩せてはいましたが、私が知っている「燃える闘魂 アントニオ猪木」でした。

昨年10月、ある大手週刊誌が私と猪木さんとの関係を掲載していました。 内容的にはネガティブなお話でした。しかしその週刊誌の発売日に、私は猪木さん宅にお見舞いに行っていました。お見舞いの約束は1か月前に決まっていましたが、よりにもよって発売日のその日だという事です。お互い、記事の内容に苦笑していました。 全ての週刊誌がいい加減だとは言いませんが、中にはテキトーな記事もあるものですね。

(次回に続く)

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