代表取締役 湯川 剛

前回に引き続き、今回も弊社製品及びその設置事例を少しPRさせて下さい。
OSG製品は大きく分類すると飲料関連機器と衛生管理機器に分かれます。前回は飲料関連機器について説明しました。今回は衛生管理機器について説明します。

OSGが取り扱う衛生管理機器は、主に「次亜塩素酸水生成装置」と呼ばれる商品です。
「次亜塩素酸水」を簡単に説明しますと、家庭で使われる塩素系漂白剤などが「次亜塩素酸ナトリウム」と言われる消毒剤(漂白剤)で、これをpH調整し弱酸性にした消毒剤です。「次亜塩素酸水」は食品添加物としても認められており、消毒、脱臭などの目的で広く使用されています。
「次亜塩素酸水」の主な特徴は、一般的に使用されている「次亜塩素酸ナトリウム」と比較し、低濃度で強い殺菌効果を得られ、幅広い菌種やウィルス種に効果が有る事。加えて、作業者にとって安全であり、手肌の荒れも水道水レベルで扱い易い事。残留性が低く環境負荷を与えない事など多くのメリットが有ります。現在、世界的な課題となっている「新型コロナウィルス」に対してもNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が「次亜塩素酸水による不活化効果」を検証し、一定の基準で効果を認めた事は記憶に新しいかもしれません。

OSGでは、市場を大きく「医・食・獣」に区分しています。
「医」とは、介護施設を含めた医療現場を指し、器具やベット、手すり、トイレや廊下などの除菌に使用されています。「次亜塩素酸水」は耐性菌を産みにくい事も医療の現場で広く使用される要因となっています。また、OSGでは結核菌に対する効果検証を行い、学会発表された事を機会に病理解剖施設などでも使用されています。

次に「食」は、食品・飲料加工工場、ホテルやレストランなどの厨房、レストランチェーンのセントラルキッチンなどの衛生管理に使用されています。日本では大手ビール会社A社やS社等では全工場に設置されているのが自慢の一つです。
また、日本を代表する焼酎メーカーを中心に多くの焼酎メーカーにもOSGの衛生機器が活躍しています。更に、長崎ちゃんぽんで有名なR社ではセントラルキッチンで国産野菜の洗浄殺菌に使用頂いています。その他、有名かまぼこメーカーや漬物、カット野菜メーカーなど多くの現場で食の安全を支えています。

「獣」は、医学大学や製薬メーカー、国立研究機関の実験動物施設。牛舎などの畜産施設など動物市場を指します。実験動物施設は、創薬時に薬効や安全性を人体に代わりマウスなどの動物を用いて検証する施設であり、実験に用いる動物の健康が維持されて初めて再現性や信憑性の高いデータが取れます。その為に実験動物を飼育する施設内の衛生環境は厳密に管理されています。私たちの健康や生命の維持に必要な薬や健康食品の開発、検証を環境衛生面で支えています。
また、畜産現場では2010年に宮崎県で口蹄疫が発生し、29万7000余頭の家畜の尊い命が奪われて以降、宮崎県の分散農場、鳥取県、兵庫県の畜産現場でOSGの次亜塩素酸水を用い、防疫システムを構築。これらの活動を通じ、大学や独法研究機関や家畜保健所などと協力し、完成度の高いシステムの構築が図れました。

2020年に発生しパンデミックとなった「新型コロナウィルス」との闘いがまだ続いていますが、衛生機器市場として、新たに「学」分野が誕生し、学校や幼稚園などで環境除菌に使用されています。

ヒトにも動物にも影響を与える菌やウィルスは眼に見えるものではありません。
また「新型コロナウィルス」の様に変異したり、国境を越えて私たちの身の回りにいつでも近づく事が可能です。食の安全、環境の安全、ヒトも動物も安全に共生できる環境維持、更には地球環境に衛生事業が少しでも貢献できる様に更なる努力を続けています。

さて、このように飲料関連機器市場や衛生管理機器市場の設置先等を見ると、やはり「営業力」という空気がOSG社内にない訳ではありません。しかし「製品力」がなければお客様も導入して頂けません。
この「人プラ」にも登場して頂いた横井顧問(第99回)は、商売の神様と言われた松下電器(現パナソニック)の創業者松下幸之助氏から直接指導や薫陶を受けた最後の役員です。
その横井顧問に当時、私は「松下幸之助さんに会わせて頂けないか」と無理なお願いをしました。世界的有名な経営者に名もない私が直接会う等、不可能に近い話です。しかし、ダメ元でお願いしました。
すると横井顧問は、否定する事無く「会ってどうするのか」と問われました。当時39歳の私はただ「会いたい」だけでも凄い事ですが、それだけではなく一つ、松下幸之助氏に確認したい事がありました。それは松下電器では「営業力」が優先されるのか、「商品力」が優先されるのか、それを確認したかった訳です。当時、松下幸之助氏は病床にあり、この3年後に幸之助氏は死去され、結果的には実現されませんでした。
横井顧問が亡くなった数年後にPHP研究所の幹部の方と会い、それらの経緯を説明しました。「幸之助さんなら、どちらを言うと思いますか」の質問に困っておられました。
ところがここからがPHP研究所の凄いところです。
数週間後、幸之助氏の書籍の中に「営業力」と「製品力」について触れている箇所があり、その中で「営業力が優先される」旨が記載されていると連絡を頂きました。
とはいえ、やはりメーカーとしては「製品力」や「開発力」が最重点項目です。

よく「製販一体」という言葉がありますが、これは逆に言えば「製販一体」になる事が難しい事の現れだと思います。
いずれにしろ、OSG製品は間違いなく世界市場に通じる商品だと思っています。
「水事情」はどの国にも課題があり、必要とされています。
また衛生管理商品も然りです。今後OSGが成長する為には世界に打って出なくてはなりません。その為にも改めて「研究・開発」及び「生産工場」の見直しが急務になります。
ヒト・モノ・カネを今後この研究・開発と生産工場につぎ込む事が、OSGの将来を決めると言っても過言ではないと思いました。私は密かに生産拠点における人事構想に取り組みました。

【後記】
「人生はプラス思考で歩きましょう!」(略「人プラ」)を書き始めて500回を越えましたが前回も含め、これ程、OSGの製品や設置事例等を紹介したのは初めてだと思います。
この「人プラ」では不思議と今回のような「実績」は掲載しなかったような気がします。
むしろいろいろな課題や問題、時には事件と出会って「その時、どう思ったのか」という「人間」を主題に掲載してきたつもりです。(間違っていたらごめんなさい)
今回は2回に分けて、OSG製品の説明と設置実績を思いっきり掲載しました。掲載して、改めていろいろな分野に活躍している事を知りました。同時に「OSGの社員さん、やるじゃん」という気持ちにもなりました。今から51年前、当時「浄水器」という言葉が認知されていない時代に、私はカバンに家庭用浄水器を入れて、1軒1軒売りに歩いた駆け出し時代から見れば、隔世の感じがします。2020年の東京オリンピックの殆どの会場にOSGのウォータークーラーが設置されているのは夢のようです。また日本を代表する大手飲料メーカー・食品メーカー等に採用されているのも「有難い」の感謝の気持ちでいっぱいです。
この「人プラ」を通じてOSG製品が少しでも世の中のお役に立っている事を知って頂ければと、前回と今回の第504回で思いっきり書かせて頂きました。

(次回に続く)

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