代表取締役 湯川 剛

「2020年の東京オリンピック開催に、何かお役に立てる事はないか」
OSGが創立50周年を迎えるこのタイミングに、日本国内でオリンピックが開催されるなど、私自身にとってこんな巡り合わせは「奇跡」以外の何物でもありません。
OSGの手元には、ウォータークーラーという製品があります。その製品の殆どがオリンピック競技会場に設置されてるという実績です。
しかも、その設置件数は首都圏だけでも1万7000件を超えるという実績もあります。
「東京オリンピック開催」「ウォータークーラー1万7000件設置」「真夏の祭典」・・・
OSGが出来る「小さなお役立ち」が見えてきました。

真夏の祭典である東京オリンピックでは間違いなく「熱中症問題」が起こります。
私達でも出来る「小さなお役立ち」は「熱中症問題に取り組むぞ」という事になりました。

ここで、OSGがこれまでに積極的に取り組んで来た「熱中症問題」について少しお話ししたいと思います。
OSGが「熱中症問題」に取り組んだ最初の事例は、2011年の東日本大震災です。
当時「熱中症」に関して余りマスコミも取り上げていませんでした。
ご承知のように11年の東日本大震災発生に伴って原子力発電所が停止し、大規模な「節電」が呼びかけられました。その影響もあって、エアコンをつける事や設定温度を制限する動きが発生し、屋内での熱中症が発生する事象が多く見られました。炎天下での熱中症なら理解出来ますが、屋内で熱中症を発症し、中にはそれが原因で亡くなる方もいて、当時社会問題となりました。
特にお年寄りの方達がその対象となりますが、涼しい部屋にいて体温管理しなくてはならない方々がいます。しかし「節電」の呼びかけが悲劇を生む例があるのです。
実のところ私自身の認識としては「節電」ではなく、「節水」によって熱中症が発生していると思っています。勿論、エアコンをつけない事によって脱水状態になり、そのまま熱中症にかかってしまう図式は否定しません。しかし「飲水」さえすれば、多くの悲劇は避けられます。私達がすべき事、それは「積極的な飲水の推進」こそが熱中症問題を解決する大きな糸口だと思いました。

さて、2011年東日本大震災の話に戻ります。
避難所における「熱中症」が問題になり、その予防啓発にOSGは取り組み始めました。
それをきっかけにOSGは「熱中症予防」の啓発に対し、営業や管理、そして製造等、まさにOSG全部門で社会が抱えている問題に取り組みました。
正直、中には「収益に直接関係ない」とか「予防啓発運動に対するコストがかかる」等の声もなくはありませんでしたが、当時の溝端社長中心に幹部が「熱中症問題」に真正面から取り組みました。その根底にあるのは、「脱水症」や「熱中症」はまさに私達の「飲水」に関わる問題故に何か社会的使命を帯びている、そんな気持ちがしました。
少し大げさに言わせて頂ければ、何か強い「使命感」です。私達がやらなければ誰がやるのかという気持ちがOSG幹部に広がっていました。まるで「OSGのアイデンティティーに関わる問題」のように全員が受け止めていたように思います。

それ以降、OSGは積極的な「熱中症予防」運動を展開しました。その事が環境省にも届いたのか、2015年環境省が主催する「熱中症予防声かけプロジェクト」からお声がかかりました。最初の面談で、今までOSGが取組んでいたこまかな「熱中症予防」の啓発内容をお伝えしたところ、その取組みに評価を頂き、オフィシャルパートナー(運営側)としてプロジェクトに参加をする事となりました。
夏の社会的健康課題とされている「熱中症」は、予防をすれば間違いなく防げます。
意外と知られていませんが、水温にも問題があります。5℃~15℃の冷水をこまめに摂取する事で、直腸が冷やされ体温が下がる事でかなりの熱中症は防げるのです。
OSGでは「熱中症スタイルBOOK」(熱中症啓発冊子)や啓発ポスター等を使って一人ひとりに声掛けしながらこまめな水分補給の啓発活動を地道に現在も行っています。

OSGも参加した環境省主催の「熱中症予防声かけプロジェクト」にはこの年、なんと5,447ヶ所の事業所が申請されたとの事でした。
驚いた事にOSGは、それらの申請事業所の中の最優秀賞10社に選ばれました。
他に選ばれた事業所は、キリンビバレッジ、大塚製薬、サントリーなどの大手飲料メーカーやドン・キホーテホールディングス等のそうそうたる企業で更に驚きました。

OSGがやってきた事に間違いはないと確信しました。それ故に私達は「真夏の祭典」である東京オリンピックにおける「熱中症問題」に対し、より一層取り組まなければならないと「プレミアム50」で再確認しました。

 

【後記】
コロナ前には、毎年5万人ほどの熱中症にて緊急搬送者がでていました。
コロナ禍において私達は「マスク熱中症」に対する予防対策に、逸早く動きしました。

ちなみに、この「熱中症予防声かけプロジェクト」には、官民が一体となって取組むプロジェクトとしてOSGはお陰様で2015年以降昨年21年までの7年間連続で最優秀賞を受賞しました。昨年2021年は、1714団体からの参加数と聞いています。
(2015年の数字は、2012年から加盟先が登録削除せずにいたので件数が多いです。)
21年の最優秀賞表彰ではOSG以外に、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、大塚製薬等の大手飲料メーカーやホテルオークラ東京ベイ(ディズニーランド公式ホテル)、花王、森永製菓、更に自治体では、京都市、熊谷市、館林市、三条市など24団体が選ばれ、確実にこの運動が広まっている事を感じ、うれしく思います。

(次回に続く)

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