代表取締役 湯川　剛

ここ最近の「人プラ」は少し肩が凝るような話が続きましたので、本日はOSG事業の話から少し離れたお話をします。

私は毎月初めに信貴山大本山千手院に月参りします。何度かこの「人プラ」でも取り上げています。
信貴山千手院とのご縁は元々、ＯＳＧの社員教育の場として出会いました。
100畳前後の大広間があり、時には合宿での宿泊に使用する場合もあります。
過去の「人プラ」でも取り上げましたが、他社の社員教育や訓練を１０年程行なっていたことがあります。北海道から九州までと範囲が広く、その地域の寺院を貸して頂き、教育の場にしていました。主に真言宗系の寺院であったのは、殆どが訓練に必要な大広間があったからです。大阪ではここ奈良県と大阪府の県境にある信貴山千手院をお借りしていました。時には毎月のように使用していました。そんな関係から田中管長とも親しくさせて頂いています。私がこのように親しく「田中管長」と呼んでいますが、宗教系の大学教授等は田中真瑞貫主（兼信貴山真言宗管長・総本山朝護孫子寺法主）と呼ばれます。

もう少し信貴山について説明します。
信貴山は聖徳太子が苦難に際して祈願したところ、毘沙門天王が出現された聖地だと言われ、以来、信貴山の毘沙門天王は、怨敵退散、国土鎮護、戦勝護国、武運の仏神、さらには財宝福徳、商売繁盛ならびに仏道修行の守護神として信仰されてきたと聞いています。地元では「信貴の毘沙門天」とか「信貴の毘沙門さん」と愛称され、阪神・中京地方のとりわけ商人の信仰を集める名刹で、毎月寅の日は開運福徳の霊験あらたかなものとして参詣者で賑わっています。そのような関係から多くの企業もOSGのように毎月参拝に訪れています。
さて、信貴山大本山千手院には「千手院奉賛会」が組織されています。
奉賛会の歴代会長はガス器具のトップメーカーのリンナイ株式会社の会長です。
副会長には野菜ジュースのトップメーカーのカゴメ株式会社です。
その他、製パン業界のトップである山崎製パン株式会社は毎月１日に生産されたパンを持参され、多数の幹部が月参りされます。

この奉賛会でのお話です。
その年も善男善女の多くの方が広間で食事をする事になりました。当時の奉賛会会長の内藤会長が挨拶をする時のお話です。お年寄りの方が多く、特に女性の方々はお友達と来ていますので、終わり尽きないお話で内藤会長のご挨拶が始まる時も気づいていません。
司会進行の寺院のお坊さんも困った感じでした。しかし、内藤会長は余りに気にせずに「皆さん、こんにちは。本日のお参り、大変ご苦労様です。」しかし参列者は殆どの方は会長の話に耳を傾けず、相変わらずのおしゃべりでした。ところが内藤会長が「私が東京大学にいた時の・・・」と言った途端、会場はシィーンとなりました。私はそれを見てなんと「東京大学」というブランドは凄い！と感じました。
内藤会長のお話は、最近の教育についての考え方や信仰等についてお話しされました。
その後、若いお坊さんの余興？が始まりました。ジャグリング等の大道芸を披露し、なんとなくおしゃべりから本来の奉賛会の雰囲気になりました。この後、乾杯で楽しい食事に入りました。

司会者の方がその時、いきなり私に乾杯の音頭と挨拶をするように言われました。私はいきなりの指名で何の準備もしていませんが、次のような挨拶をして乾杯となりました。
「皆さん、こんにちは。湯川と申します。それはそうと奉賛会会長の内藤会長は憧れの東京大学を出ておられます。」というと参加者全員が納得したように頷いていました。次に私は「先ほど大道芸をしてくれた久米さんは実は大阪大学です。」というと、参加者の善男善女の皆さんは「ほぉ～」と何かしら満足そうな感じで頷いていました。久米さんは自ら紹介しないので私が代わりに紹介しました。
その後に私は「さて、東京大学、大阪大学と続きましたので実は私はキョウダイ出です。」
というと、なんとなく「ほぉ～」となりました。そこで私は「キョウダイ出ですが、６人兄弟の出です。」とスピーチすると大爆笑が起こりました。参加者の皆さんの殆どの顔は「そらそうだろう」という感じでした。私の顔は「京大出でなく６人兄弟出」の顔らしいです。
それから数年が経ってのお話です。全く知らないお婆ちゃんから私に向かって笑顔で「６人兄弟出」と呼ばれ、私は大笑いしました。
間違いなく私のスピーチは、内容こそありませんが、記憶に残るものだったと思います。

２０１７年９月５日に、三井住友銀行や日興証券等をグループに持つ三井住友フィナンシャルグループの太田副社長がＯＳＧに来社されました。太田副社長の出身校は京都大学です。初めての面談でしたが太田副社長の人柄に魅了され、楽しい１時間があっと終わりました。その会話で件の信貴山奉賛会での「キョウダイデ」の話を披露しました。大笑いで初対面の面談が終わりました。
数か月後にお食事のお誘いがありました。それから数年後に太田副社長は三井住友フィナンシャルグループのトップとなりました。
関西でのトップ就任パーティは数千人の参加者でしたが、太田社長は私の顔を覚えて頂いていました。

「６人兄弟出」の話は結構、私をサポートしてくれました。

(次回に続く)

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