代表取締役 湯川 剛

2023年の「人プラ」は「2018年の出来事」を中心に掲載します。
ただ昨年10月10日からは「猪木さん死去」に関する事を掲載した為、2017年後半が掲載されないままになりました。そこで今回から2017年後半の出来事を掲載したいと思います。

とは言え昨年8月10日から10月1日の「人プラ」は余りOSGに関する事よりも「猪木関連プロレス」が掲載していました。
2008年の北京オリンピック終了後、「中国にプロレスを広めたい」という猪木さんの発言からの「プロレス関連」の内容でした。
猪木さんお得意の「ちゃぶ台返し」から「中国にプロレスを広めたい」が途中頓挫してしまった事で、プロレスラーを夢見た中国の若い選手達の面倒を見なければならない状況になった事等を掲載しました。
それ程、17年の出来事を振り返った時「プロレス」と「猪木訴訟」は忘れられません。
特に「猪木訴訟」については「人プラ」では詳しく掲載していませんが、大逆転等の経緯は一冊の本が出来る位、スリルとサスペンスに富んだ濃厚な刺激でした。
更に5年後の2022年の後半ではご承知のように「被告・猪木さんの生活を原告である私が引き受ける」という想定外な結果となりました。
「猪木さんに関する内容」は昨年12月31日付で掲載は終了と致しました。
(別サイト「天国の猪木へ」が今年1月15日より発信されます。)

このように2017年当時は、私個人にとってもいろいろな課題がありましたが、OSGにとっても17年は3年後に控える「創立50周年」という大きな節目を迎える年でもあり「役員の力量が問われる」年でもありました。
そんな重要な17年上期のOSG予算が未達となり、予算修正を余儀なくされました。
当時のOSG本体の経営執行部がその問題にどのように乗り切るのかが大きな課題でした。
本日はその辺りを掲載したいと思います。

2017年10月6日の役員会。
この日の役員会では私は開会のスピーチだけを行ない、その後一切発言しませんでした。
それには理由がありました。開会のスピーチの主な発言は記録によるとかなり怒っています。
それは上期が予算未達で終わり、下期の9月の結果が月末時点で分かっているにも関わらず当時の役員らがその事について協議をしていないという指摘でした。翌日10月1日は日曜日でしたが、もし私の社長時代ならば緊急役員ミーティングを開催していたとの指摘です。
ところが当時の役員らは5日後の役員会まで対応していませんでした。
私の指摘は「5日間の空白時間」を作った事です。5日間の空白は経営にとって時には命とりになります。役員の1時間は管理職や一般社員さんの「1時間の価値」と全く異なります。
私は「株主様に対する期待やOSGという会社を通じて社会の第一歩を踏み出そうとしている学生さんや多くの社員さんの生活を考えるならば休日であっても1日も早い対応をしなければならない」と指摘し「1日の後手が1か月の遅れになる」と時間の質と量の重要性を話していた事が記録されています。
「本来の私の性格から言えばこのような状況なら自ら先頭に立って旗振りをやりたいところだが、それをやってしまうと社長交代の意味がなくなる。私は今耐えている。このような状況に対して役員として先頭切って乗り切る経験をしてほしい」と泣き言のような事も含まれて当時のスピーチの内容が日記に記載されています。

OSGの役員会では社外役員も含めて最後に必ず出席者は発言しなければなりません。
3時間ばかりの役員会で一切発言しなかった私は、最後の発言の機会にプロ野球の野村監督の言葉を引用しました。「巨人軍の選手は全員ツルンとした顔をしている」という話から、OSGは強力な企業が後ろで支えてくれている訳ではない。と言って役員会の冒頭で役員が唱和する「OSG取締役の使命と果たすべき役割」の冒頭部分を私は改めて読みました。

「OSGのような中堅中小企業の取締役は、トップを補佐すると共に実務担当者として現場の最前線に立つ。経営陣のひとりとしてトップと一枚岩となり自ら体を張って会社を守り発展させていく事こそが取締役に求められる第一の仕事であり誇りである。管理職の延長ではなく経営陣のひとりである自覚が必要」と書かれてあり、1から6項目まであります。
もう少し読みます。
1. 経営者が実行すべき課題を常に考える(時間に限りがある)
2. 経営者には利益責任がある。利益責任には良い人材を育成する事も含む
このような形で書かれてあり、3番と4番は更に9項目、8項目に細分化しています。
5. 取締役が変われば会社が変わる
そして6項目目で終わります。
この「OSG取締役の使命とが果たすべき役割」は上場する前に作成したもので「組織作り」に必死であった時期です。

話は戻ります。困難を乗り切る事で役員の覚悟や経験が自信や風格となって出てくると伝えました。あの時、野村監督の「巨人軍の選手は全員ツルンとした顔をしている」の発言を何故話したのかは覚えていませんが、5年経過した今でもその時の場面は明確に覚えています。
指摘は「1.経営者が実行すべき課題を常に考える(時間に限りがある)」の箇所です。

さて極めて内部の事を生生しく掲載していますがそれ程、役員は大変な業務であり、同時に役員としての責任感や誇りに通じるやりがいのあるものです。
ちなみに当時の役員の名誉の為に書きますが、翌日の休日返上の役員ミーティングはなかったとしても、決して無責任で無策でいたのではない事を付け加えておきます。
また「役員は休日返上しても仕事をする」を奨励しているのではありません。
株主様の期待に応えたい。お客様のお役に立ちたい。社員さん達に安心して頼って貰いたい、という役員でしか味わえない達成感があるからこそ、いつも「真剣勝負」なのです。
勿論、当時の上期予算未達の最終責任はCEO会長である私にあるのは当然です。

いずれにしろ、仕事の全ては「時間」に影響されています。時間には「質と量」があります。
2017年10月の役員会では「役員の時間」が問題になりました。
役員もその事に対し、強く意識したと思います。

にもかかわらず・・・。

次回は1月20日に掲載します。

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