代表取締役 湯川 剛

「銀座本店」の1周年を迎え、更に全国的に開店ラッシュが続きました。秋に入り、三越銀座店に次いで、伊勢丹新宿店にも催事が決まりました。ご承知のように両店は全国百貨店のトップブランド店舗であり、わずか1年で両百貨店で催事が決まったわけです。また、この時期に大丸福岡天神店及びそごう千葉店の常設出店のお話もいただきました。このように百貨店への進出が2年目の新たな出店戦略に加わりました。

2019年4月16日に第1回銀座に志かわ春のオーナー会が品川プリンスホテルで開催したのに次いで、11月11日に銀座に志かわ秋のオーナー会も同ホテルで開催しました。開始時間を午後1時11分とし、11月11日1時11分にこだわりました。何とかトップを目指す意味を込めての事です。但し、銀座に志かわオープンから今日まで「売上ナンバーワン」「店舗数ナンバーワン」等を言った事はありません。あくまでも「銀座に志かわ」をトップブランドにしたい、という意味の「トップ」です。

2回目ですので、前回のオーナー会から少しはバージョンアップしよう、との思いがありました。まずは、開会宣言の映像が流れます。最初にオーナー会会長の挨拶があります。次いで、銀座仁志川を代表して髙橋社長が挨拶。その後、春から秋までのオープン店舗の紹介映像が続きます。また、新しいオーナー様が1人1人紹介されます。その時、髙橋社長から「銀座に志かわ」店舗のミニチュア模型が手渡されました。

第2部では、ゲスト講師を招いての記念講演を行いました。講師は、三越銀座店や伊勢丹新宿店の催事出展に大変お世話になった千疋屋総本店の大島常務にお願いしました。
ご承知のように千疋屋様は高級フルーツでお馴染みのトップブランドです。大島常務はこのような会場でのお話に慣れておられ、参加者の皆様を惹き付けました。話の要点は、最近の消費者動向について、でした。千疋屋様の話なので、フルーツ市場から見たお話です。それによると、やや硬いものや酸っぱいものはあまり売れない、との事です。昔ならりんごをそのままかじるようなシーンがあり、映画の場面にも登場していました。でも最近の消費者は、硬いものをかじる事はしなくなり、それがりんごの売上等に影響している、との事です。お菓子の世界でも、おかきや煎餅、それにバームクーヘン等も影響が出ているとの事です。逆に、柔らかいものや甘いものが消費者に好まれている、との事でした。大島常務はその後「何故、銀座に志かわの食パンが売れているのか」と分析され、今の消費者の嗜好にピッタリと当てはまっている、と最後に「銀座に志かわ」食パンの話に持ってこられました。おそらく、オーナーをはじめ、店長クラスも参加していますが、皆さん大いに納得されたと思います。それ以上に私自身が「そうなんだ」と納得しました。
それにしても、流石は飲食業界に長くおられ、消費者の好き嫌いや時代の傾向性等、敏感に察知される大島常務のお話でした。私は「銀座に志かわ」をはじめ「根上」の生食パンも、これからの日本の食文化に深く根付くものであればいいと思いました。現代の若者をはじめとする消費者の嗜好が「柔らかくて甘い」という傾向性にあると知り、更に自信を深め、今後の運営に更に拍車をかけようと思いました。

第3部は、オーナー会の皆様との懇親会が開催されました。
司会者が最後に「次回の来年春のオーナー会で会いましょう」とオーナー会の閉会を宣言しましたが、それは実現する事はありませんでした。
この時点から2か月後に「コロナウイルス」が発生し、世界的なパンデミックが起こるわけです。また、数年後に起こる「食パン専門店」のオーバーショップによるレッドオーシャン化等もこの時点ではゆめゆめ思っていませんでした。

今から考えれば、大島常務のセミナーを聞きながら「よし」という自信だけが芽生え、常日頃心掛けている「いい時は気を付けろ」「悪い時には落ち込むな」の前者である「好事魔多し」の気持ちが瞬間的にも忘れていたのではないかと思います。

次回、6月20日に掲載します。

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