代表取締役 湯川 剛

新年度が始まった2月は、当初からの計画とは全く違った案件が入ってきました。それは新型コロナの感染に関する案件です。もし、OSGグループに感染者が出た場合はどうすればいいのか、全く未知なる恐怖に対してこれといったノウハウはありません。ただただ「保健所の指導」に従う、というものでした。
「令和異業種交流活性化戦略」を発表した2月22日の2日後である24日に1本の電話が入りました。北海道の銀座に志かわ加盟店様店舗で学生アルバイトが新型コロナに感染した、との事です。これがOSGグループの最初の感染者の報告です。結果的に、その店舗は一週間閉鎖する事になりましたが、何故閉鎖するのかという理由を公表するのか、という議論が起こりました。というのは、当時コロナ感染者は、未知の恐怖でありとんでもない事が起こるような風潮がありました。よって、閉鎖理由に「コロナ感染者が出た」と公表すれば、学生アルバイトにコロナ感染以外の精神的圧力等の被害が起こらないかという心配です。保健所に確認しても明確な回答は出してくれません。結果的には加盟店オーナー様と本部との相談の上、「機械のメンテナンスをする」という事になりました。加盟店様から見れば「本部がもう少し明確に指導してほしい」という本音があったと思います。
しかし、本部はこの事に対して全く無知でした。保健所の指導を第一として対応する事に決めていましたが、保健所ですら曖昧な回答でありました。

また、これから始まる「創立50周年記念事業」の販売促進がことごとく中止となりました。「売ってはダメ」「商品説明してもダメ」「人と接触してもダメ」にて八方塞がりの状態です。

そんな中、2020年2月27日でした。
この日の事は忘れません。夕方に臨時ニュースが流れました。安倍総理からの「全国小中高学校一斉休校・企業に協力」というメッセージが流れました。これを受けて翌日の28日に、私は「16時に緊急役員会議を招集する」としました。緊急役員会議にて即刻「OSGトップ方針」を決めました。
①溝端社長自らメッセージをする事で、社員及びパートの皆さんが安心する。
②上場企業らしい振る舞いをする。躊躇しない。自ら率先して考えて行動する。
これは、参考意見にと他の経営者へ連絡を取ったところ、ほとんどの社長が「他社の様子見をする」との事でした。ならば我々が率先して多くの会社の参考にしてもらう、と言いました。この時「今回の新型コロナウイルスは国難だ」と言う社長もいました。
正直、この言葉に先が見えない不安がよぎりましたが、とにかく積極的に取り組もうと言い聞かせました。もう、会長も営業本部長の肩書もありません。「湯川剛」がどうするのか、という事です。
③社員及びパートの皆さんへのメッセージの作成を溝端社長に指示しました。

この臨時役員会議の席上で役員に向かって「OSGは50周年を迎える初っ端にコロナウイルスショックと出会った。これは誠にもってOSGらしい」と伝え「OSG50年分のプラス思考の成果を発揮し、プラス思考で挑む」と内心は見えない不安がありましたが、自ら言い聞かせる事も含めて強気な発言を伝えました。
当時の日記に「こんな国難を活かさないとアホ経営者と言われる」と記載しています。

次回、9月20日に掲載します。

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