代表取締役 湯川 剛

3月1日日曜日。
私はこの日、ウォーキングを兼ねてお墓参りに行きました。1時間程出社し、OSG本社を11時にスタートしました。片道15キロ、3時間の道のりです。2時間程歩き、マイボトルの水もなくなり、途中で喉が渇いたのでコンビニに入りました。おにぎりとお茶を買って、レジの前に並んでいました。私の前に180センチ近い大きな男性がいました。彼は作業服を着ていました。ふと彼が着ている作業服の背中を見ると、なんとローマ字で「コロナ」と書かれていました。私は前にいる彼の背中を見ながら、わずかながら気の毒なような気がしました。勘定を済まして店を出ると、なんと3人の男性が同じ作業服を着ていました。彼ら3人は雑談するようにして信号を渡りました。その先に自動車工場があり、その工場の上に看板がありました。看板には大きく「カローラ」と書いてありました。「カローラ(COROLLA)」を私はコロナと読み間違いをしていました。コロナのローマ字は見た事がありません。新聞やテレビ等はカタカナで「コロナ」と書いてあります。作業服の後ろのローマ字「COROLLA」をいつもの私の早とちりな性格で「コロナ」と読んだのでしょう。この出来事は社内で話しました。勿論、笑い話の一端として話すのですが、それ程私の頭の中は「コロナ」の三文字が渦巻いていました。この話は、3月の当時であればジョークで通じますが、それから刻々と報告される死亡報告の中、使える話ではありません。

3月2日の朝会で、「新型コロナウイルスにて子供さんが休校。それにより全社員は協力する」という事を改めて伝えました。ここでも「創立50周年にコロナという冷水を浴びたが、OSGらしい50周年の開幕だ」と強気な発言をしているのは、そのほとんどは自分自身に言い聞かせていることでした。その後、毎月参拝する信貴山へ行きましたが、閑散とした状態でした。極端な事を言えば、誰もいません。

4日に滋賀県の取引先S社を訪問しました。OSGにとっては、大手取引先です。社名は知っていましたが、一度も会社を訪問した事はありません。今回の会長兼営業本部長の立場での挨拶です。社長が「コロナにて展示会が中止になり11億円以上の売上が吹っ飛んだ。また、社員旅行としてタイ旅行を予定していたが、キャンセル料に500万が掛かり返金は一切ない」といきなり厳しい話を聞かされました。終始、社長は厳しい顔で説明されました。私が「コロナとカローラ」の話をした時に初めて笑顔を出されました。
名経営者で地元でも有力な社長です。2人の話はいかに「コロナショック」を「コロナチャンス」にするか、という話で終わりました。

「銀座に志かわ」はこのような状況の中でも、新店オープンが続いていました。ビジネスモデルがテイクアウトであり、人と接触をしないことが功を奏したのでしょう。また、コロナウイルス発生前からオープン準備をしていた事で、引き続き出店ラッシュでした。
しかし他方、OSGビジネスに対して年度初めの2月から3月始めにおいて、「売ってはダメ」「商品説明してもダメ」「人と接触してもダメ」の問題が突き付けられていました。
さてどうすればいいのか。

次回、10月1日に掲載します。

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