代表取締役 湯川 剛

4月11日土曜日。
東京から戻った私は、30分刻みで各部署の打ち合わせをこなしました。
夕方の16時より第5回キングギドラの実績会議を行いました。全産業に仕訳し、各事業部が「除菌水」の存在を告知する事を中心に話し合いました。
19時には役員ミーティングが開始されました。

土曜日の夜、即ち日付が変わって12日になりましたが、この日も一睡もできないまま朝を迎えました。午前4時30分に役員・部署責任者にメールを発信しました。
内容は「2大目的」と記しました。
「社員・家族の皆さんを感染から防ぎ”命”を守る」
「会社は潰さない。会社を存続して、社員さんの”生活”を守る」
という内容のメールでした。
当時の日記には、下記のように書いてあります。
「このように宣言した限りは、何としてもやらなくてはならない。何よりも『先が読めない』のが厳しい。また、ビジネスの基本である『人との接触をしてはいけない』という今までに全く経験した事のない状況に、果たしてOSGのビジネスそのものが成り立つのか。そのような全く先が見えない状況の中で『命を守る』と『生活を守る』と宣言する自信は自分自身どこにあるのか。
『緊急事態宣言』期間中において、自分の中にそのような『責任を持つ』発言をしていいのか。
しかし、社員さんや家族の皆さんはもっと不安がっているかもしれない。この『宣言』が社員さんや家族の方々に少しでも安らぎを与えるなら、明確に打ち出さなければならない」(2020、4、12、3:50)

当時は、とにかく「先が見えない」という前代未聞の体験に「不安」の二文字が私の精神を大きく左右させていました。この時から約4年が経っていますが、今もこの緊迫した状況は忘れていません。ただ、日記に書く事によってどこかで客観的に自分を見つめようとしていたのでしょう。コロナ禍が過ぎた今から考えれば、不思議な感覚です。わずか3~4年前の話です。

4月13日7時30分朝会にて、改めて幹部の皆さんに昨日早朝に発信したメールの内容を確認しました。内容は下記の通りです。

  • ① 2大目的である「命」と「生活」を守る
  • ② テレワークの本格的導入は明後日から開始する。80%接触減少のための協力
  • ③ 万一にもOSGグループからコロナ感染者が出ても、誹謗中傷的な発言をしてはいけない。ただし、会社が伝えている「三密」等の注意は守っていく。
というものでした。
この当時はコロナ感染者に対して「何をしているのだ」といった間違った知識が社会的にあり、誹謗中傷がありました。ある中部エリアでの話ですが、有名菓子メーカーの経営陣がコロナに感染し、そのため自宅前に心ない落書きや誹謗中傷的な紙が貼られてある、と聞きました。ある地方では、感染者が地元にいられなくなり引っ越しをしたとか、それを悲観して自殺をした、という悲しい出来事もありました。それもこれも全ては「人類初めての体験」による未熟な判断から出たものであります。それほど当時は世界的パンデミックへの恐怖等がありました。
OSGグループも「高齢者リスク」として年配者の長期休養を指示したのもこの時です。

次回、12月20日に掲載します。

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp